昨年度、県内を訪れた外国人観光客はおよそ210万人と急増する中、県内の大手百貨店が、アジア市場に本格的に乗り出しています。沖縄からアジアへの百貨店の進出、キーワードは「万国津梁」ということなんですが、一体どのような戦略なんでしょうか。

Qプラスリポート アジア進出目指す県内百貨店

先月、那覇から台湾に到着したのは、那覇市の百貨店、リウボウの糸数剛一社長。糸数会長が向かったのは、地元の百貨店、誠品生活。

もともとは、本屋からスタートしたこのグループ、実は今、世界中から視察が訪れるという台湾で大人気の百貨店。現在、台湾国内に42店舗展開していて、洗練された店内の雰囲気や商品のセレクトは「台湾カルチャーの発信地」と言われています。

店内では、ワークショップが開かれていたり、売り場のすぐ隣にガラス工房が現れたりと、まるでテーマパークのようです。

糸数社長「一つひとつそうなんですけど、よく考えられていますよね」

そしてリウボウは先月、この人気店のひときわ目立つこちらのコーナーで催事を展開しました。沖縄から集めた、主に若手のクリエイターが手がけたアイテムが並べられています。

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糸数社長「この百貨店は全体が、一つ一つが新しいものだったり、非常に思いがあったり、トータルとしてデザイン性が高いものだったりするんですが、そことマッチするやつが選ばれている感じです」

リウボウはこの夏、誠品グループのこちらの店舗と、多くの人が行き交う台北駅の地下街の中心部の2カ所で、1ヶ月間、イベントを展開しました。

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催事をみた若者「見ていてとても安らぎます。デザインが派手すぎず、暗すぎずないのがいいです」

糸数社長「沖縄は今、人口は伸びてますけど、生産年齢人口は少しづつ緩やかに減ってきてるし、10年後は沖縄も人口が減るという予測になっています。中間所得層が一気に伸びている(アジアの)マーケットとつながっていかないと。勢いのある、強いマーケットとつながり、双方向でビジネスをすると、(沖縄は)まだまだ成長していけるし、生き残ることができる」

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リウボウが本格的な海外事業に乗り出したのは、去年の夏。今回の取り組みは、構想から1年をかけた、初の海外プロジェクトです。

糸数社長「アジアっていうのは、基本的に中華圏、言葉が中国語を中心とした。それぞれがネットワークを持っている。一番近く、歴史的な付き合いも長い、台湾とのネットワークを強くするというのは、ものすごく重要ですね。そこ(台湾)で商売が成り立つ成り立たない以前に、ネットワークとパイプを作るというのが、アジアに進出していく上でとても重要だと思います」

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この日、糸数社長らは、誠品生活の幹部との商談に臨みました。

糸数社長「お礼と今後のちょっとしたお願いですね」

商談に同席するのは、日本百貨店の鈴木社長。日本各地のこだわりの名産品を取り扱う日本百貨店とリウボウは、今年7月に業務提携を結んでいます。どんな提案をするのでしょうか。

商談相手は、誠品生活の副社長。今回の催事へのお礼が終わると、鈴木社長が日本百貨店の説明を始めます。

取り出したのは、江戸切子のグラスとガラスに漆を施した器、いずれも日本百貨店が取り扱う本土の商品。誠品生活側の反応は上々です。

糸数社長「これからリウボウ百貨店は沖縄のいいもの、日本のいいもの、世界のいいもの、体にいいもの、これを中心にやっていきたい」

リウボウは今後、誠品グループとのネットワークを生かして、日本本土の商品を台湾に流通させていきたいと考えています。

誠品生活副社長「必ず次はありますので」「先ずは期間限定のポップアップショップから、できたら長期的な展開も望んでいます」

商談がまとまりました。

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糸数社長「かなり思いもよらない進展になりそうだっていう感じです。沖縄は地理的な優位性の中で『物流のハブ』とはよく言われているんですけど、実際、物流のハブというのは、地理的な優位性で接続する場所ということなので、本来は『ビジネスのハブ』にならないといけない。特に、国内だと地方のいい企業や作り手に対して手を組んで『アジアに一緒に出ましょう』と」

リウボウと日本百貨店による台湾でのプロジェクトは、早ければ来年春にスタートする予定です。

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