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全国学力テストの沖縄県の平均正答率です。年々、上がってきているのがわかります。子どもたち学力の底上げをしようと、島一体となって学びを応援する宮古島を取材しました。

テーブルを埋め尽くすほどのごちそう。きょうは運動会…?ではなく、高校受験の日。宮古島では受験の日の昼休みに応援に駆け付けた家族とお弁当を食べるのが恒例なのです。

Q+リポート 離島の学力向上を支える“力”

お母さん「ごはんつくるくらいしか力になってやれないので。美味しいもの食べて落ち着いて頑張ってくれたらな~」おばあちゃん「一番で合格できないかなと思ってる。アハハ」「きゅうや凛ちゃんが受験ってぃど~。わいてぃかなひふぃさまちよ~。たんでぃが~たんでぃ」

家族の応援を背に最後の追い込みをしていたのは真壁凛さん。この日は誰よりも早く塾に来て、明日の受験に備えていました。

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真壁凛さん「やってきたことが出せたらいいなって。やることはいつもと変わらないと思うので」

凛さんが目指しているのは県立宮古高校。島外に出るのではなく、宮古島で頑張りたいと話します。

こちらは全国学力テストの平均回答率。全国平均はほぼ横ばいですが、2014年以降、沖縄県も宮古島市も全国平均を上回る水準まで伸びていることがわかります。

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能力開発型予備校セレブラム・新山広明代表「普段から勉強の習慣を身に着けていって将来につなげていく、おそらくその辺の意識は以前よりも高まっているのかなと」

そう話すのは、東京で長年、家庭教師として超難関大学を目指す受験生を指導してきた新山広明さんです。

6年前、宮古島に移住したとき、難関校を目指す受験生が予備校に通うため、親元を離れ島外で生活しなければならない現状を知り、この塾を立ち上げました。

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新山さん「島の子どもたちが安心して勉強できる環境を作るということで。島の学力向上になればなという思いでやったんですけど。それは塾の中だけでやっていてもなかなか島全体の向上にはつながりません。どうしても塾に来る子どもたちは限られますし」

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そんな新山さんが今年1月、宮古島市から受託したのが学習支援教室まなびやぁ。ここでは受験生だけではなく、様々な課題を抱える子どもたちの学習支援や軽食の提供などもしています。子どもたちの居場所作りに力を入れることで、様々な子どもたちに学ぶチャンスを与えたい、島の学力向上につなげたい、と言うのが目的です。

新山さん「もっと勉強したいですとか、きちっと社会性を育てる居場所として、社会全体で子どもたちを支える、そんなときに通常の塾以外にもこういう居場所型の事業っていうのは本当に必要なものかなと思って」

真壁凛さん「いってきます」

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試験には島内で266人が挑戦しました。その間、お父さんはお弁当の場所取りです。

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お父さん「午前中、休みをとりました(娘の為に)」

午前の試験が終了しました。

真壁凛さん「緊張したんですけど、すいすい解けたので、ちょっと自信あるかなって感じです」

凛さんを迎えたのは家族と、思いを込めた手作りオードブル。おばあちゃんが1番で合格するようにと作ったカツを頂きます。

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真壁凛さん「美味しいです。おばぁ、ありがとう。(これで受験に・・?)か、カツ?。桜が好きなのでいい場所とってくれたなと思います」

お母さん「ごはんが食べられるくらい普通にいるので。もう娘を信じます。つくった甲斐がある」

新山さん「島全体で子どもたちを育てようという文化が感じられて、素敵だなと思います。島で育ったこの温かさ、人間らしさを持ちながら、さらに都会の子に負けない、学力でも負けない心を持った人間になってもらいたいなと思います」

宮古島独特の受験の風景。小さな島から子どもたちを広い世界にはばたかせ、未来への花を咲かせようという思いいっぱいの一日でした。

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