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Q+リポート いよいよ〝星空保護区〟認定へ01

先月28日、漆黒の闇に包まれた、西表島のサトウキビ畑のなかで地元の人たちや観光客が集まって開かれた、星空観察会。参加者たちが見上げた夜空は、息をのむ美しさでした。

肉眼でも見える星の数は、なんと3,000個以上。これだけ美しい星空が見える場所は、世界的にも貴重です。

参加者「なかなか南十字星を見ることは、ちょっと(集落から)離れないと見られないので。初めて見ました」

今、八重山地域では、この夜空の暗さを守っていこうという「星空保護区」という世界的なプログラムの国内初認定を目指す活動が本格化しています。

先月末には、星空保護区を認定する団体の本部による調査が始まりました。アメリカ・アリゾナ州から小浜島を訪ねたのは、「国際ダークスカイ協会」のジョン・バレンタインさん。

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ジョン・バレンタインさん「きっと今夜は晴れると思う。おそらくとても暗くなるでしょう、楽しみにしていますよ」

星空保護区認定の基準は、単に夜空の暗さだけではありません。島の中にある照明の数や、色、明るさを抑えているかなども評価の対象です。

このリゾートホテルは、高評価。自然の光に近い暖色系の照明で、数も抑えられています。また、明るくしたい場所以外を照らさないように照明の形状も工夫されていました。

夜10時半、月がのぼりはじめるのを前に、いよいよ夜空の暗さを測定する場所へ移動します。

何も見えなくなった漆黒の闇のなかで、測定器に浮かび上がった21.67の数字。

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ジョン・バレンタインさん「とても印象深い、ダークスカイだ。世界中の他のどんなダークスカイパークとそん色ない、素晴らしい。本当だ。」

21等星の光が地上に届くほどの暗さ、世界最高レベルです。しかし、集落内の調査では、気がかりな点もありました。

ジョン・バレンタインさん「こぼれている灯りが見えます。おそらく自動販売機でしょう。特有の青い光です(Q.明るすぎますか?)まぶしいね。とてもまぶしい。ここにも自販機だよ。(光が)道に広がり、家の窓を照らし、住んでいる人は眠るのも大変だろうね」

意識して探していくと、よくある照明にも、問題があることに気づかされます。例えば、こちらの施設。

越智信彰代表「これで4000ケルビンという色温度なんですけど、IDAとしては3000ケルビン以下と言うのを推奨していて、これだと白すぎるということですね。」

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星空の保護には向かない青白い光が、地上だけでなく夜空も全体的に照らしてしまっているのです。配慮したホテルの照明とは大きな違いです。

小浜島調査の翌日、中山石垣市長を訪ねたバレンタインさん。

中山市長「街灯の種類を変えていくとかもどんどんとっていくかたちで進めたほうがいいわけですよね?」

ジョン・バレンタインさん「日本の中で初めて認定されることになります。私たちにとっても記念すべきことです。世界に広めたいと思います」

国内初、世界でもまだ64か所しかない星空保護区の認定が、近づいています。

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