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読谷村の観光施設の一角によみたん自然学校があります。ここでは自然との関わりの中で、こどもの「個性」や「自主性」を尊重する、教育を取り入れています。今日は、そのよみたん自然学校にスポットを当てました。

昔ながらの赤がわら屋根の家、広場には立派なガジュマルの木。ここ、よみたん自然学校の一日はあることを決めることから始まります。

スタッフ「きょう、やりたい事を頭の中で考えておいてよ、すぐ言えるように」

「おうちごっこ!」 「お絵かきとおうちごっこ!」「(桑の実とりしたい人!)はい!」

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よみたん自然学校に通うのは、主に3歳から5歳までの児童たち。教育カリキュラムなどはなく、きょうやりたいことは、自分自身で決める!これがこの学校のスタイル。

自由に遊びまわる子どもたちを真剣な表情で見守るのは、この学校の代表・小倉さんです。

小倉さん「危ないからといって止めてしまうと、自分でいろんなことを学んでいくチャンスを奪ってしまうことになりますので、逆にそういうチャンスをどうやって安全に活かせられるかというところを考えます」

小倉さんが沖縄に来たのはいまから11年前。当時勤めていた会社を辞めて、学校設立に向け活動を始めました。

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小倉さん「自分自身がどういう教育をしていきたいかというのをずっといろいろ考えて来た時に、なかなかうまく答えがでなかった。 自主的に学ぶって言うことがどういうことなんだろうというのを、いろいろ考えていく中で、教育にすごく興味を持つようになって、自然体験を通した教育というのをその頃から自分なりに考えるようになったと思います」

大人はあくまでサポート役。子どもたちが主体の教育、そんなよみたん自然学校のスタイルは保護者からも一目置かれています。

保護者「すごくいろんな色を使うようになりました。そして、画用紙いっぱいに明るく、楽しい感じが浮き出てくるような絵になったような気がします」

保護者「なんかこう今、英才教育とか英語とか水泳とかそういう時代だけど、お友達にもすごい心配される。ひらがな勉強しなくていいの?とか。(現代の教育は)カリキュラムに縛られてる様子が伺えるので、それじゃ、こどもの感性とか心って育たないなって思って。走り回って怪我してとか、そういうのでたぶん学ぶことっていっぱいあると思うので」

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この日はあいにくの雨。子どもたちも学校に避難、かと思いきや・・・

子どもたちにとっては、雨も遊び道具の一つのようです♪

この学校に今年の4月から新しいスタッフとして加わったのが菅原真心さん。あるきっかけが、真心さんの教育に対する気持ちを動かしたといいます。

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菅原真心さん「大学3年生のときにインターンシップ実習ていうのがありまして、(よみたん自然学校で)3泊4日のキャンプとかいろいろ参加させてもらったんですけど、めちゃくちゃ楽しかったです。世間一般に悪いと言われている事を、悪いから悪いではなくて、その理由だとか、自分が思うことだとかを、しっかり伝えながら子どもたちと一緒に考えていくというスタンスでやってるってのが、(自分にとっての)価値観が変わったというよりは深められた」

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雨もあがり、外出することを決めたこどもたち。しかし、ここでトラブル発生です!行き先を巡って、子どもたちの意見が喰い違います。

真心さん「どうしましょうか〜。どっちに行く?」

真心さん、こどもたちに話し合いの場を持たせます。

真心さん「いろいろ意見が分かれることが多々ありまして、簡単にじゃんけんって言ってしまえば、簡単に済むんですけど。そういうかかわり方でやらないようにしようとなるとやっぱり難しい」

男の子「じゃー、あっち(下)いってから、(上に)行こう!」

真心さん「あっち(下)でもいいよーって言ってくれたんだけど、あっちで食べた後に上の舞台にも行きたいんだって」

子どもたち「いいよ!いいよ!」

話し合った結果、トラブルは解決!

真心さん「あそこで、言い争いをずっとしてたら、どちらもいけないってときに、なんとか自分で『じゃー下の舞台(行き先)でもいいよ』っていうふうに思える。大人でも難しいことなんですけど、それを子どもでもできるっていうのは、自分もそ学んでいきたいなっていうのは思います」

小倉さんは、教育についてこう語ります。

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小倉さん「僕が今やっている、学ぶ人が主体の教育スタイルを皆がやったほうがいいと思っていない。こども達は個性は多様ですので、その多様な個性に対応できるように、教育も僕は多様であるべきだと思う。いろんな形の教育っていうのがあって、それぞれの個性に合った教育を受けられるようにすることがとても大切なのかなと思っています」