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あさってで就任から丸3年を迎える仲井真知事。普天間基地の3年以内の閉鎖や、失業率の半減を公約に掲げて当選した仲井真知事はこの3年間、沖縄をどう導いてきたのか?これまでの取り組みと公約の達成度を検証します。岸本記者です。

仲井真知事(雨の中での選挙運動)「おはようございまーす!」稲嶺前知事「(仲井真さんは)実力もあるし、体力もあるし、私の方がちょっと女性にモテますけどね〜」稲嶺前知事の後継者として経済界の全面的な支援を受け、革新系の統一候補を破って当選した仲井真知事。

初登庁の際の訓示では、当時7.5%だった失業率を全国並みに引き下げると職員に誓いました。「沖縄にすでにある産業・企業を大事にしながら、失業率の無い世界を目指してみようと」知事が最も力を入れたのは、若者の雇用創出とIT産業の企業誘致。海外でも積極的に活動を展開しました。

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県情報産業振興課の職員「沖縄はIT企業の誘致活動を展開していてこの10年間で200企業が県内に事務所を構えた日本国内では最高の数字です」仲井真知事「沖縄でも次の段階へIT関係の事業の拡大していくとね。沖縄の若者達はITに向いていますからね! 」

知事のトップセールスや税制面での優遇もあり、県にはこの10年間で234の県外企業が進出。仲井真県政に入ってからは66のIT企業の誘致に成功していますが世界同時不況の影響もあり県の失業率は再び7%台に戻っています。

帝国データバンク「(県の)優遇措置とかそういう面は悪くない」全国の企業情報を調査するこの会社は、高い失業率は沖縄独自の要因もあると分析します。「本土企業と取引をしているITの会社とかはもっと資格や技術を持ってる人がいれば、もっと採用したいという声をよく聞くんですけど」県も認識する雇用のミスマッチの問題。県内に進出した企業で最大級の雇用を生み出しているグループで話を聞きました。

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日本アイ・ビー・エム・スタッフオペレーション 谷中 忠信 社長「IBMグループ全体で1300人くらい(採用者は)沖縄でいると思う。5か所の事業所で」2000年から沖縄に進出している日本IBM。ことし4月に開業したこの事業所では、顧客サービスを中心としたコールセンター業務ではなく、企画書の作成や、商品の見積もりなど、IBMの本社業務を沖縄の社員が担っています。

日本アイ・ビー・エム・スタッフオペレーション 谷中 忠信 社長「ひとつの仕事の契約書を作るところから、その売掛金の回収に至るまでの一貫したサポートをやっている部門です」「今、ここが無くなったら、IBMグループは大変、動かなくなります。」

社員「営業社員の歩合給の部分があるが、その支払いに関する部分ですとか、評価に関わる部分を担当しています」多様化する業務内容。研修はほぼ毎日社内で行われてますが、必要なスキルを持った人材の育成にはやはり半年から一年はかかるといいます。

日本アイ・ビー・エム・スタッフオペレーション 谷中 忠信 社長「全部が全部、出張で東京に行って勉強できないからいくつも電話会議室を作って」「いろんな教育を1日中電話でやったり、かなりやっている」谷中社長も人材の確保と育成を課題に挙げました。「ことし250人採用して、来年もまたこの勢いは続くと思う」「優秀な人材を集めていくために」「県としても、市としても後押ししてもらうともうちょっと人を集めやすいのかなと」

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また、知事が1000万人を目指している入域観光客数も昨年度は593万人と過去最高を記録したものの目標には届かず。今年度は10月までで342万人と前年比を5%下回り24年ぶりに減少に転じる可能性が高くなっています。そして、今も変わらぬ、アメリカ軍機の騒音や墜落の危険性。

仲井真知事「3年で閉鎖状態を実現するように努めたい。現行のV字案は認めない」「可能な限り沖合へ出すことが必要」就任後、こう繰り返していた仲井真知事は、9月の政権交代とその後の世論の盛り上がりを受け、県内移設容認の発言を抑えています。仲井真知事「県民はこう県外への要求が非常に高まっていると申し上げた」就任後、劇的に変化した政治・経済環境。

仲井真知事は、残りの任期一年も難しい県政のかじ取りを余儀なくされそうです。仲井真知事「現在は、掲げました公約の実現に向けて残る任期に全力を尽くす決意でございます」