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きのう総理官邸で開かれた普天間基地移設協議会で仲井真知事は政府が提出した環境アセスの方法書の不備を指摘しましたが石破防衛大臣は方法書に問題はないと反論し来年2月にも本調査に入る方針を示しました。

きのうの協議会は、基地建設に向けて沖縄防衛局が県に提出した環境アセスの方法書が大きな議題となり、仲井真知事はこの方法書について『内容が大雑把で具体性に欠ける』と指摘し改善を求めました。

『方法書が僕らから見るととてもとても中身が出来ていないと思う。私から見ればというより審査会の(環境の)専門家の目から見てですよ。』

しかし石破防衛大臣は『方法書に不備はない』と真っ向から反論し、『遅くとも来年2月には辺野古沿岸部での環境アセスの本調査に入りたい』との方針を示しました。

記者解説

東京で取材にあたった岸本記者です。岸本さん辺野古に移設を急ぐことに知事は同意しているのに方法書については厳しい意見のようですねぇ

そうですね。知事はきのうの会見でも基地を早く移設させて産業振興につなげることと建設工事が環境に与える影響を最小限にとどめる事はまったく別の話だと発言してます。そこで今、問題になっている環境影響評価の方法書ですが、これは空港建設などの大規模な建設事業を行う前にその工事がどれだけ自然環境に影響を与えるかを調べる手続きの最初のステップなんですね。これがその方法書ですが、この中身について『説明が足りなすぎる』と仲井真知事は怒っている訳です。

そこでどの部分が足りないと言っているのかまとめてみたんですがまず、飛行場区域の面積や滑走路の幅が書かれていない。つまり、一番肝心な基地そのものの大きさが分からないと。2番目にはその飛行場を使う航空機の機種や機体数が書かれていない。これをはっきりさせないと騒音が予測できるはずがないですよね。

また飛行経路ですが、地元は住宅地の上空を飛ばないということでV字案に合意しました。でも国会の答弁の中でも緊急時や訓練によっては住宅地の上空を飛ぶと防衛省ははっきりと言っています。

つまり前提はすでに崩れているのに、そのことも方法書には書いてないと。

そして3つ目には汚水対策ですね基地からはいろんなものが排出されますがこれが辺野古沿岸のサンゴ類や魚にどんな影響を与えるのかこれを調べるためには、排水の予定場所などの情報がもっと欲しいと。この3つ以外にも、30以上の項目について知事は注文をつける予定なんですね。

今のままではとても本調査に入れるものではないというのが県の専門家達の意見ですが、防衛省は方法書に不備はないと言ってるんですよね。

そうですね、でもこのまま環境影響評価を強引に進めても、いざ埋め立てという段階になった場合、その埋め立てを許可する権限を持っているのは知事ですからそこで完全に計画がストップするのは目に見えているんですね。

政府としてはそうならないように、きのうは北部振興事業の凍結を解除して、つまりお金で解決しようという意図が感じられるんですね。

でも知事は環境保護は基地の早期移設とは分けてしっかりやると明言している訳ですから、今、かなり丁寧に進んでいる県の審査会の答弁を受けて振興策で曲がることなく、しっかり筋を通して欲しいと思いますね。