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シリーズでお伝えしている決戦2007、参院補欠選挙。きょうは、狩俣、島尻両陣営による宮古決戦です。

参議院補欠選挙にはご覧の3人の方が立候補していますが、革新系諸派の狩俣吉正さんと保守系諸派の島尻安伊子さんの事実上の一騎打ちとなっています。狩俣さんは旧平良市出身。島尻さんは夫の父親が旧城辺町出身ということで、この週末、両陣営が宮古で火花を散らしました。

宮古島市民「狩俣の人だからぜひとも入れて、一票でもと」「島尻さん勝たし方が宮古島のためにもなるんじゃない」

狩俣さんは旧平良市狩俣の出身。平良市役所の労働組合の委員長を務めた経験もあり、地元出身は本人だけとの強い思いがあります。特に選挙戦終盤に入り、狩俣さんの宮古遊説の回数が増えています。

狩俣候補「ばんまい、うまんうすんまい、みゃーくぴとやすが、かりゃ、みゃーくぴとあらにば」

一方の島尻さん。宮城県出身ですが、嫁ぎ先の親が旧城辺町出身ということもあって、島尻姓を最大限アピールして支持を訴えています。宮古では総決起大会は打たず、街頭での選挙運動に力を入れています。

島尻候補「この宮古島の皆様方のお力添えをいただきたい」

開拓精神のたくましい宮古の人々。本島や八重山にも宮古出身者は数多くいて、石垣島では人口の半数近くが宮古関係者。また本島は浦添市を中心に、有権者だけでも10万人以上はいると言われています。

それだけに、狩俣さん、島尻さんとも宮古関係票は確実に集票したいところです。両候補の選挙事務所は宮古郷友会関係の担当を設置し、支持拡大に取り組んでいます。

狩俣候補支持者「相手候補はやまとんちゅう。離島の苦しみ、沖縄の悩み、これは知らない」「格差是正問題、生活を重視した面ではかなり支持拡大されるんじゃないか」

一方、島尻さん支持者は。

島尻候補支持者「格差といっているけど、掛け声だけ。宮古島のためには安伊子さん」「国からいろいろな工事とか、そこらへん知事と協力して一緒になって持ってきてもらえれば」

沖縄の参議院補欠選挙に、この週末、安倍総理と民主党の菅代表代行が宮古島に応援に入りました。総理大臣の宮古島入りは40数年ぶり。安倍総理は島尻さんの応援で街頭から支持を訴えました。

安倍総理「宮古にある地下ダム。観光資源になります。地下ダムの下には水を通さない固い岩盤がある。何というか知っていますか。島尻層というんです」

安倍総理は懸命に島尻さんと宮古との関係を強調しました。

安倍総理「この安伊子さんの元気を国政でどうか活かしていただきたい。島尻安伊子パワーをみなさんどうかこの宮古島の活力に活用していただきたますようにお願い致します」

これに対して、選挙期間中3度も宮古島入りしている民主党の菅代表代行は、狩俣さんの支持を訴えました。

民主党・菅代表代行「宮古の出身である狩俣さんを、まさに宮古のみなさんの力で必ず国会に送っていただいて、私たちと国会で一緒に仕事をさせて下さい」

菅代表代行は、地元出身は狩俣さんだけだと強調しました。

民主党・菅代表代行「間違った今の政府自民党の方向にノー。そしてそれに代わる方向に狩俣さんを先頭にやってくれというその一票を、アララガマ精神で狩俣さんを必ず当選させていただくようお願いします」

狩俣さん、島尻さんとも宮古関係者ということもあって、島は投票日に向け、運動は盛り上がっています。

狩俣候補「うまりずまや、うまりずま。明日の天気は変えられない。しかし、政治は変えられるんですよね」

島尻候補「今ここにいられるのは、この宮古島市の皆様のアララガマ精神という愛情で育てていただいたから」

宮古決戦といっても島尻さん陣営は当初、宮古ということは表に出していなかったようですが。

金城記者「島尻さんは知名度アップのために、台所から政治を変える、子育て世代の代弁者というイメージ戦略で運動を展開しています。ですから知名度アップのために全県を走り回っています。一方の狩俣さんが宮古出身というのは狩俣だけと、前面に打ち出して戦っていますので、やはり、組織票としては大きな宮古票を意識せざるを得なくなったということです。狩俣さんは、当然、宮古出身というのが強みで、とにかく地元宮古票を固め、郷友会関係票を獲得しなければならない。ですから、告示前から何度も宮古に入っています」

総理や野党の党首クラスが宮古に入ったのは?

金城記者「2点あります。1点は今回の議席が野党の議席だったということです。狩俣さん陣営はこの議席をどうしても取っておきたい。そして夏の参議院選挙につなげたいということです。ですから宮古の票は確実にものにしなければならない。民主党の菅代表代行が何度も足を運んでいるのはそこです。一方、島尻さん陣営は安倍総理が応援に入りました。それは狩俣さんの地元を切り崩すことで、沖縄本島などの宮古票を揺さぶる戦略です。そして2点目は補欠選挙が行われるのは沖縄と福島だけです。この2つの議席は野党の議席で、ここで1勝1敗とするのと2勝とするのでは、拮抗している参議院の勢力に大きな影響が出てきます。ですから、今回の補欠選挙は単なる沖縄だけの選挙ではなくて、野党にとっては参議院の逆転のチャンス。与党にとっては国会運営の安定がかかっています。その大事な選挙が、宮古決戦と呼ばれるところです」