※ 著作権や肖像権などの都合により、全体または一部を配信できない場合があります。
News Photo

シリーズでお伝えしている決戦2007。今日は参院補選と同じ日に投開票が行われる宜野湾市長選です。これまでに出馬を表明しているのはおふたり、革新系無所属の現職・伊波市長と保守系無所属の新人・外間伸儀さんです。いよいよあさって日曜日に告示される宜野湾市長選、きょうはそれぞれの政策について、おふたりの意見を聞きます。

伊波市長「いま自公政権が進めている、あらたな振興策だけの箱物行政で終始すると、むしろ自治体は疲弊していく。市民の視線で市民が主役で市民のためにどういうことをやっていくかをしっかり踏まえたうえで行政に取り組んでいきたい」

外間さん「県や国に対して背をむけてばかりでは何も前進しない。県や国としっかり話し合いを持つことによって、今後の危険性の除去返還、跡地利用に太いパイプを構築してまい進していきたい」

日曜日の告示をまえに、今週、支持を訴える決起大会が市内各地でひらかれ、前哨戦はヒートアップしています。

今回の選挙で訴えているのは市の経済活性化、そして普天間基地の危険性の除去ですが、双方の主張には大きな違いがないため、市民には分りにくい選挙となっているようです。

宜野湾市民「やっぱり市民に伝わってないかと思う。その辺はもっとアピールしていただけたら。宜野湾市民として気になるのは軍用地の跡利用だったりするのでその辺をきちんと明確にして欲しい。子どもがいるので、教育問題とか関心があります」「福祉関係に力を注いでくれれば私たちには嬉しいかなと」「やっぱり基地はなくなったほうがいいと全ての人が思ってると思う」

経済の活性化について意見を聞いてみると、現在進められている西海岸地域の開発を中心にすえ、企業誘致などで活性化をはかるという政策ですが、これはどちらも共通した意見です。伊波市長はこれまでリゾートホテルを含む22社を誘致し、停滞していた西海岸の開発を進めてきたことをアピール。

伊波市長「西海岸にはマリン支援センターが来年4月にオープンします。そのほかにも着々と計画が進んでいて、西海岸全体の発展を二期目の大きな課題にしたいと」

外間さんはそこに公共事業をうまく活用していきたい考えです。

外間さん「公共事業を増やして経済活性化の起爆剤とし、それを西海岸の開発につなげ、継続的な経済の活性化を推進していく」

取材している比嘉雅人記者です。比嘉さん、お互いの主張が似ているというのは有権者にとって非常に分りづらいですね。

比嘉記者「こちらはそれぞれの後援会が発行している市民向けのパンフレットなんですが、外間さんも伊波市長のものも大きな違いはないんです。キャッチフレーズも『市民が主役』『市民本位』なんですが、ちょっとちがう点があります。『イデオロギー優先』。現市政には問題点があると外間さんは訴えているんです。普天間基地をどうするか、双方の意見です。

外間さん「基地問題については確かに一懸命なさってる方で、その問題に対してはよろしいかと思いますが、たとえば今まで行政課題として抱えてきた問題に十分対策がとられていないのではないか」

移設問題にゆれる普天間基地。この解決のために活動する伊波市長に対し、市政運営に影響しているのでは、という意見です。

外間さん「私なら県や国とパイプを太くして、連携してこの問題(基地問題)にあたっていける。当然、主張するべきは主張し、協調するべきところは協調する姿勢をもってあたっていきたい」

この主張に対して伊波市長は「殆どの懸案課題について道筋をたて、他とくらべても遜色ない市政運営をしてきた」と真っ向から反論しています。

伊波市長「(基地は)生活の支障だけでなく、街づくりそのものを阻害していますので、それを回復するのは誰が市長でもやらなければならない課題であって、イデオロギーの問題ではないと思います」

また、県や国とのパイプについては4年間の実績として、跡地利用や街づくりについて日常的に議論できる状況にあると主張。

伊波市長「普天間の移設問題でこれだけ対峙しているから、宜野湾市と国の間のパイプは切れているのでは、と思うかもしれないが、我々ほど国、外務省や防衛省、内閣府に行って根本的な政策を議論している市町村はないのではないか」

普天間移設問題に対するスタンスが違うわけですね。

比嘉記者「アメリカ軍ヘリ墜落事故で普天間の危険性がクローズアップされました。その基地を抱える宜野湾市の伊波市長が以前から主張してきた基地の閉鎖を訴える声がクローズアップされたことは事実です。この普天間移設問題について、伊波市長は市の最重要課題であり、具体的にグアムへの移設を主張。外間さんは移設先については現在、国と県、名護市の三者が協議中であり、その結果をふまえたうえで市としての態度を明確にしたい、とのことでした」

本当に争点が見えにくい今回の選挙、一刻も早い危険性の除去というのは一緒ですが、外間さんは自公の推薦という部分での国とのパイプ、伊波さんは現職としてこれまでの経験をいかしたパイプを強調。それを有権者がどう捉えるかというのもひとつの判断材料になりそうです。宜野湾市長選はあさって日曜日に告示されます。