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夜間の検問中に警察官が車道を走る乗用車にはねられる事故が全国的に多発傾向にあります。これはドライバーの不注意といった問題とともに人間の目のある特性も事故の原因になっているということです。事故にあわないための注意点について岸本記者の報告です。

那覇警察署 石原建雄 交通指導課長『自分では見えてるつもりでも相手からは全く見えないと』『パトカーの横に警官が立っているんですが、手に持っている検問燈がもし無ければ、強いライトに目がいってしまって、警官がいることは分かりませんね』

きのうの実証実験は全国で多発する検問中の事故を受けたもので県内でもことしの夏、事故現場を検証中の警察官が車に跳ねられ、重傷を負う事故があったばかりです。

『これでほとんど黒っぽいのはもう見えないですよね』『黒っぽい服を着た歩行者が多いということも分かっていただきたい』

実験では洋服の色による見え方の違いの他、人間の目の特性が原因である特殊な現象も説明されました。対向車同士のライトが交錯すると、その中間に入った歩行者が消えてしまう。これが『蒸発現象』です。車の中からはさらに見にくくなり、それが人間なのか、街路樹なのかさえ判別は難しくなります。

蒸発現象はなぜ起きるのか。人間の目は強い光を浴びると、その光に視点が集中し、周りの物がよく見えてくるまでにはさらに3秒程度の時間を要します。もし時速60キロで走行していた場合、この3秒間で車が進む距離は40mから50m。すでに事故が起きた後です。こうした事故にあわないためにはまずは、自分はドライバーからも見えているという甘い判断で車道を歩かないこと。そして、一般でも販売されている反射材などを身に付けて存在を知らせることも対策の一つです。

確かに自分が見ているからといって、相手が自分が気がついていると勝手に判断するのは危険ですよね。これから年末にかけて人の動きも車の動きも増えますから十分に気をつけたいものです。