2017年11月30日 18時41分

Qプラスリポート 被害者が語る「名義貸し」の恐怖

大学生など20代の若者を中心に県内で被害が多発した「名義貸し」について取材しました。「名義貸し」の手口としては「金を借りるだけで報酬が手に入り、返済も肩代わりする」という甘い話で相手をだまし、消費者金融から多額の借金をさせるというものです

実際に被害にあった方に話をきけました。石橋記者のリポートです。

Qプラスリポート 被害者が語る「名義貸し」の恐怖

被害者Aさん(宜野湾市在住・22歳)「自分に対しても情けないっていう気持ちもありはするんですね…。相手に対しても怒りっていうのがやっぱりでかいですね」

宜野湾市に住む会社員の男性は「名義貸し」の被害に遭ってしまいました。

きっかけは2年前、専門学生だった時に「簡単にお金が手に入るバイトがある」と友人から持ち掛けられ、ある男を紹介されたことからでした。

被害者Aさん「借りた金額自体は相手(首謀者)が払うから心配ないよっていう話で、そのまま借りた」

借金を肩代わりしてくれるという男の説明を信じて、男性は2つの消費者金融から合計100万円を借りて全額、手渡してしまいました。その時の報酬は10万円で友人と折半しました。しかし…

被害者Aさん「いついつに支払うからもう少し待ってくれっていうことで連絡がきたりとか、大丈夫だよっていう返信しかこない」

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当初、支払われていた男からの月々3万円の返済が滞るようになり、破産手続きに入ったことを知らせる通知が4ヵ月前に届いたことで、だまされたことに気づきました。

男性は債務整理をしたことで借金の返済は今月からストップしました。しかし、80万円の借金が残ったままです。

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被害者Bさん(那覇市在住・23歳)「借金を返していくのに精一杯で、貯金もできていないくらい結構大変です」

那覇市に住む23歳の男性は「名義貸し」被害で40万円の借金を抱えてしまいました。アルバイトの月収は12万円、そこから2万3000円を毎月の返済にあてています。

ある時、先ほどの男性をだました男と同じ人物に出会います。

被害者Bさん「この人は大丈夫だろうなと思ったのは、家を見て、稼いでいるから、毎月の返済もやってくれるだろうなって、僕の中では一番の信用につながった」

男性が消費者金融から借りた金額は80万円、近くの無人契約機でつくったキャッシングカードを男に渡して、3万円の報酬を受け取りました。

借り入れの手続きをする際、男性は男から年収をごまかすなどの指示を受けただけでなく、名義貸しだと言わないよう口止めもされていました。

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被害者Bさん「最初の2ヵ月分くらいは、現金を手渡しで預かっていたんですけど。早く振り込んでくださいって実際に言いに行ったこともある」

男性は、その後、男に直接会って返済の催促をしたこともありました。しかし、破産手続きに関する通知以降、全く連絡が取れず、居場所もわからない状態だといいます。

被害者Bさん「仕組まれたというか、最初からこういうシナリオができていて、今に至っているのかっていうのを聞きたい。車売ってでも、家を売ってでも何とかして金を返せっていうのは、本人に強く言いたいです」

今回の「名義貸し」被害について弁護団長を務める折井弁護士は目先の利益に惑わされ、名義を貸すことのリスクまで考慮できなかったことが被害拡大の要因だと話します。

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沖縄名義貸し弁護団長・折井真人弁護士「大多数の被害者が大学生、専門学生である。彼らはアルバイトはしているのでしょうけど、経済活動、世の中どのようにお金が回っていくのかというところまで、あまりリアルな感覚がない。想像できないようなターゲットに特化したやり方だったといえるのではないでしょうか」

弁護団では被害の回復と称してお金をだまし取るといった二次被害への注意も呼びかけています。

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ここからは、取材にあたった石橋記者です。県内ではどれだけの被害が出ているのか?

石橋記者「被害者は700人以上とみられ、総額は4億円から5億円にのぼるとされています」

借金の肩代わりをするというだけで、そんなに多くの被害者を生んでしまうのか?

石橋記者「紹介した人にも報酬があって、被害者が被害者を呼ぶ負の構図ができてしまっていました。『この人が言うのなら…』と横の繋がりに付け込んだ手口でもありました。また、男が肩代わりする借金の返済が進めば、借りた人の信用が上がり、将来、車や家を購入する時にローンの審査が通りやすくなるとも説明していたようです」

きょう証言した被害者が救済される手立てはないのですか?

石橋記者「残念ならが、被害者が『借りた』という事実はあるので、現状では被害者に支払いの義務はあり、借金は残ったままです」

うまい話には気をつけろと言いますが、その時に一歩立ち止まって考えること重要です。

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