2012年8月23日 18時40分

Qリポート 枯れ葉剤被害者ヘザーさんの旅

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20日から沖縄を訪れているベトナム戦争の枯れ葉剤被害者二世・へザーさんの沖縄の旅に密着しました。

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へザー・バウザーさん「もし皆さんの周りに家族や知人などで、枯れ葉剤に触れたのではないかと思われる方がいたら、ぜひ声をあげてください。なぜなら枯れ葉剤は世代を超えた問題を生じさせるからです。子どもの代、孫の代まで影響するのです」

沖縄の人たちに、こう呼び掛けるのは、アメリカ人のへザー・バウザーさん。彼女は各地で枯れ葉剤被害者の救済を求めて活動しています。へザーさんは生まれつき右足の膝から下と、左足のつま先、そして両手の指が欠損するという障害を持って生まれてきました。

彼女や両親は、父親がベトナム戦争で浴びた枯れ葉剤の被害ではないかと訴え続けていますが、アメリカ政府はそれを認めていません。

彼女は今、枯れ葉剤が撒かれた国々を周り、真相解明と被害者の救済を訴えています。

彼女は沖縄においても多くの退役軍人たちが枯れ葉剤に関する証言しているのに、アメリカ政府がそれを否定し、責任から逃げようとすることに強い怒りを持っています。

へザーさん「枯れ葉剤の情報は皆さんの人生を変えるかもしれない情報であり、それを調べることもできない沖縄の人たちに同情し、強い怒りを感じます。アメリカ政府が沖縄の枯れ葉剤の問題を否定するのは、私の人生と重なるのです」

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初めてとなる沖縄の旅。短い滞在期間で多くの人たちとの出会いを求めました。戦争をテーマに数々の作品を手掛けている彫刻家の金城実さんもその一人です。

実は、へザーさんも美術学校で学び、たくさんの絵画を描いています。2人は互いの共通点を見つけることになります。

金城実さん「沖縄で戦争体験した者として、どうしても自分の彫刻とか、芸術の意識の中に、沖縄人であることのアイデンティティというか、沖縄人であることの芸術というか。私の中でどうしても切り離せなかったということでしょうか」

へザーさん「私の父は枯れ葉剤を浴びたため、とても若くして亡くなりました。私の作品は戦争に関するものが多い。戦争と私の作品は切り離すことができないのです」

金城さん「あなたが美術を始めようと思った動機は何だったんですか?」

へザーさん「私はたくさんの障害を抱えていたため、他の子どもたちとは違っていたし、故郷にもなじめませんでした。芸術学校に入って、故郷を離れたのを機に、新しい扉が開いたと思います。人生の扉が開けたのです」

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義足で各地を巡るへザーさん。辺野古ではおじいが、彼女の旅の安全と幸福を願い、祈りを捧げてくれました。

彼女を沖縄に連れてきたフリージャーナリストのジョン・ミッチェルさんはへザーさんの沖縄訪問の意義を次のように語ります

ジョン・ミッチェルさん「沖縄の枯れ葉剤問題は、ここ数年で明らかになったばかり。しかしへザーはこの問題を抱えてずっと生きてきました。へザーはこの問題を解決する知識と知恵を持っていて、彼女の沖縄訪問は大きな意義があったと思います」

沖縄を訪れて、人々と交流したへザーさん。枯れ葉剤の問題を進展させるためには、世界中の人々が敵と味方にわかれるのではなく、互いに協力していくことが重要だと話しています。

へザーさん「沖縄の旅はとても心を動かされる体験でした。戦争の犠牲になった人の話を聞いて、私も心を開くことができ、互いに理解し合うことができたように思います。ベトナム、そして枯れ葉剤の影響を受けたアメリカの退役軍人や子どもたち、オーストラリアや韓国の人々が互いに協力して声をあげていくことが重要だと思います」

枯れ葉剤被害を訴えるベトナム帰還兵の子どもたちの症状は様々だということで、へザーさんは「とにかく自分や家族などで被害を受けたのではと思う方は抱え込まず、この問題に取り組んでいる市民グループなどに相談してほしい、声をあげてほしい」と訴えていました。とにかく県内でも情報収集が急がれます。

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