告示が今月27日に迫った県知事選の特集です。これまでに立候補予定者3人が相次いで政策を発表しました。
これまで争点とされてきた辺野古新基地建設問題の対応も含めて、3人の政策を紹介します。
古謝玄太氏「県と経済界、県と市町村、県と県民が今分断されている。これをしっかりつなぐことで、沖縄の力を1つにまとめてまいります。その上で、中央政府とつなぐ際には、沖縄の主張をしっかりとぶつけて、交渉して実現する」
那覇市元副市長の古謝玄太氏。14日に那覇市内で開いた政策発表では、「県民所得の向上」や「離島・過疎地域の振興」などを掲げています。
基地問題については、普天間基地の危険性除去のための辺野古新基地建設の容認のほか、北部地域の振興、嘉手納以南の基地返還推進などを掲げています。
政策発表の会見で古謝氏は、具体的な数字を掲げて、3つの約束としています。
古謝玄太氏「1つ目は、手取りを2倍に増やす、県民所得の倍増です。2つ目の約束が、子育て支援を2倍に増やす。3つ目のお約束が、観光消費を2倍に増やす。すでに『本当にこんなことできるのか』という声もいただいております。ただ、この1人当たり県民所得、最下位を脱出し、みんなが希望を持てる、しっかり沖縄で稼げる経済をつくっていかなければならない」
玉城デニー氏「平和で誇りある豊かな沖縄実現のために、県民とともに『新時代沖縄なおひたむきに希望の先へ』全身全霊で切り開いてまいります」
現職の玉城デニー氏。県の予算、地方税収入、観光収入が過去最高になったことを挙げ、県内経済は成長していると主張。予算を産業や観光振興、企業が「稼ぐ力」の強化に充て、県民所得の向上に繋げるとしています。
基地問題では、辺野古新基地の反対を強調。そのほかにも、南西諸島のこれ以上の自衛隊増強や、住民に影響を及ぼす日米共同訓練への反対なども掲げました。
3期目を目指す今回の選挙。ある方向性を掲げます。
玉城デニー氏「人々の暮らしの安心、豊かさ、希望を支える社会の仕組み『ヒューマンインフラ』と私は名付けましたけど、社会の仕組みを構築することを目指します。当然、現下の物価高騰対策、エネルギー対策は、それに優先して取り組まねばならない課題。辺野古新基地建設反対の県民の民意を守り抜くこと、そして普天間飛行場の早期運用停止、閉鎖・撤去を政府に強く求めるということは、これまでも全く変わっておりません」
下地幹郎氏「保守という勢力の国との強いパイプというものにはもう限界がある。革新勢力を推したら基地が整理縮小になるというのはもう限界がありますよ。だから新しい交渉力のある政治を選んだ方がいい」
そして、第三極として名乗りを上げた元衆院議員の下地幹郎氏。教育費の完全無償化や鉄道の実現、2030年にG7サミットと外務大臣会議を沖縄に誘致する考えを示しました。基地問題では、辺野古に2800mの滑走路を建設する案や、那覇軍港の浦添移設中止、敵基地攻撃用のミサイル配備反対などを掲げています。保守勢力と革新勢力の争いの間に割って入る第三極を強調する下地氏。衆院議員や、大臣も経験した実績を生かし、こう強調します。
下地幹郎氏「提案と交渉力。反対運動は駄目。従属的なものは駄目。私がやろうとしてるのは自分で提案して、政府と交渉する。これをですね、全てやるんです。できないものはない。必ずやっていくぞというようなことが私の考え。24時間365日、頭をひねって体を動かして、そして県民のためにつくす。そして結果を出していく」
今回は出馬を正式表明した順番で紹介しています。ここからは塚崎記者とお送りします。3人のおもな政策をまとめています。経済関係から紹介します。まず、古謝氏ですが、数字の目標を具体的に掲げています。県民所得、子育て支援、観光消費のそれぞれを2倍にするとしていて、県民所得は10年、子育て支援は4年、観光消費は8年という目標を打ち出しています。
塚崎記者「また、玉城氏は『産業を創る力』『企業の稼ぐ力』『成長の恩恵を巡らせる力』『経済活動を支える力』の4つを強化し、経済成長の恩恵が県民所得や中小企業などにいきわたる『循環型経済』を目指すとしています。下地氏は夢を実現する沖縄として鉄道の実現や修理型造船を沖縄に誘致するとしたほか『地元企業ファースト』として、第一次下請けを県内企業にすることなどを掲げました。
次は辺野古新基地建設の対応です。古謝氏は「普天間飛行場の一刻も早い危険性除去に向けた現実的な解決策として辺野古移設を容認・進める」としています。この政策はどのような狙いなのでしょうか。
塚崎記者「はい。古謝氏は辺野古移設が『最も早い手段』として容認するという主張です。一方で、普天間返還条件の一つ、緊急時の長い滑走路使用で那覇空港の使用が指摘されるなど新たな問題も浮上しています。古謝氏も移設容認を『恒久的な基地負担・新たな負担を受け入れることではない』としており、政府の主張を無批判に受け入れる前提ではなく、交渉を重ねて、辺野古移設による普天間返還の道筋をつけられるかが問われます。
続いて現職の玉城氏です。「辺野古新基地建設反対の県民の民意を守り抜く」として、普天間飛行場の撤去を政府に強く求めるとしています。
塚崎記者「玉城氏は、2期8年間一貫して辺野古新基地建設反対を訴えてきました。ただ、この8年間の間に、県側が承認しなかった地盤改良工事を国側が代執行で強行するなど、県の取りうる対抗策がかなり限られる状況になっています。一貫して『対話による解決』を求めてはいますが、どのように日米両政府や世論にアプローチをかけ、計画変更を迫ることができるか、具体的な説明が求められます。
最後に下地氏です。辺野古に2800メートルの滑走路を建設し、民間も使うという案を示しています。これはどのようなものなのでしょうか。
塚崎記者「下地氏の案は、滑走路の場所を変更して、辺野古の大浦湾側の軟弱地盤を埋め立てないことや、長い滑走路にすることで民間や軍の大型機も使えるようにしようというものです。実は移設後の基地を民間も使える空港にするというのは、以前も案としてはあって、かつての稲嶺県政が主張したこともありました。SACO合意から30年たって、出ては消えてきた民間との共同利用の道筋を示すことも求められています。
それぞれの主張について詳しくお伝えしました。どの立候補予定者にも共通しているのは、選挙で掲げたことを実現し、実行していくことで、そのための具体的な道筋を示すことが大切です。私たちはメディアとして、そして有権者として政治家が発表したことを常に検証する必要があると思います。ここまで塚崎記者でした。
