ここからは「早わかりビズ」です。きょうは、りゅうぎん総研、米須唯(こめす ゆい)さんに解説していただきます。
米須さん「よろしくお願いします」
テーマはコチラです!「沖縄県内における介護業界の現状と課題」です。どうしてこのテーマなんでしょうか?
米須さん「全国的に高齢化が進む中、2025年に『団塊の世代』が75歳以上に突入し、介護や医療の需要が急増する『2025年問題』として注目を集めました。また、2040年には『団塊ジュニア世代』が65歳以上に突入し、高齢人口増加の第二波が見込まれ『2040年問題』として課題視されています。こうした現状を踏まえ、県内の介護業界の現状と課題について整理しました」
なるほど、介護は将来の話ではなく、すでに私たちの生活に近づいてきている身近な問題なんですね。
1 介護ニーズはどれくらい増えている?
まず、沖縄の介護を取り巻く状況ですが、いまどんな変化が起きているのでしょうか?
米須さん「はい。沖縄県は全国に遅れつつも、着実に高齢化が進んでいます。県内の高齢化率の推移をみると、2020年の22.6%から2050年には33.6%まで上昇する見込みです」「また『要介護』や『要支援』の認定を受けている方は、2023年の約6万3,700人から、2040年には約9万1,700人と1.5倍にまで増える見込みです」
かなり大きな増加ですね。
2 介護現場では何が起こっている?
一方で、その介護を支える現場の状況はどうなっているのでしょうか?
米須さん「いくつか課題がありますが、最も大きな課題が人手不足です。労働市場の動きをみると、県内の介護職は『求人数』が『求職者数』を上回る状況が続いており、2025年11月時点で2,413人の不足超、有効求人倍率は3.18倍となっています」
介護職の有効求人倍率は全産業(0.99倍)と比べると、かなり高いですね。また、3.0倍前後での推移が続いており、人手不足が常態化していることが分かりますね。
米須さん「はい、県内の介護事業者へのヒアリングでは、都市部など一部の地域を除き、多くの地域で人手不足が深刻化しているとの声が聞かれました。
地域によって、状況にかなり差があるんですね。こうした人手不足の要因は?
米須さん「はい、介護職の賃金水準は他の職種に比べて低く、人材流出につながっているとの声が聞かれました。また『きつい』『休めない』といったネガティブなイメージも担い手確保の障壁になっており、職業としての魅力を高めていくための取り組みが必要であることを確認しました」
3 このまま進むとどうなる?
ここまで聞くと、この状況が続いた場合の影響も気になりますね。
米須さん「人手不足から介護サービスが十分に行き渡らなくなると、家族が介護を担うケースが増加し、現役世代の『介護離職』による経済的な損失も危惧されます」
つまり、介護の問題は高齢者だけでなく、私たちの働き方や地域の活力にも関わってくる問題なんですね。では、今後に向けて必要な取り組みはなんでしょうか?
4 今、求められていること
米須さん「はい、介護の質と安定的なサービスの維持に向け必要な取り組みとして、こちらの5項目について提言しました。処遇改善や働きやすい環境の整備により、職業としての魅力を高め、人材流出を防ぐと同時に、新たな担い手を確保するという両輪を意識した取り組みが必要です」
「他県では、人材確保に向けて『週休3日制』の導入や、スキマバイト活用による業務の生産性向上が図られています。また、行政による潜在的な介護人材の掘り起こしに向けた実態調査など、介護現場の働きやすさ向上や人材確保に向けた取り組みが広がっています」
「こうした先進事例に学びながら、沖縄の実情に合った対策を進めていくことも大切だと考えています」
取り組みのヒントは、すでに見えてきているんですね。
米須さん「はい、同時に県民ひとりひとりが健康意識を高め、健康寿命を延ばすこともまた介護現場を支える大切な取り組みだと考えています」
現状の課題は将来の生活に直結するため「自分事」として捉える県民の意識醸成も大事ですね。
米須さん「はい、介護の現場は利用者にとって『生活の拠点』ですので、誰もが安心して歳を重ねられる社会を維持するため、社会全体で向き合うことが大切だと思います」
ここまではりゅうぎん総合研究所の米須さんにわかりやすく解説していただきました。ありがとうございました。
米須さん「ありがとうございました」
ここまでビジネスキャッチーでした。
