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「表裏一体」をテーマにアメリカ軍の払下げ品などを使って制作した作品を紹介する展示会が那覇市で開かれています。

仏像を思わせるたおやかな表情の白い仮面とものものしいガスマスク。那覇市のギャラリーアトスで開かれている作品展「TWO FACE」。

会場には、石膏製の白い仮面やアメリカ軍の払下げ品を使って制作した作品16点のほか、沖縄民政府初代知事などを務めた志喜屋孝信さんのデスマスクが並んでいます。

これまで、アメリカ軍の払下げ品をアートに変えることで、沖縄から「ポジティブな未来」を伝えてきた志喜屋さん。今回の作品展は、祖父のいとこにあたる志喜屋孝信さんのデスマスクから着想を得たといいます。

志喜屋徹展「TWO FACE」志喜屋徹作品展

志喜屋徹さん「よく見ていくと、だんだん死の事だけではなく『生』の部分、『生』と『死』という感覚をすごく考えさせられる感じになったんですよね。それって結局表裏一体のもの」

こちらは、アメリカ軍のパラシュートの上に無数に置かれた白い仮面。仮面は「ウチナワン」という沖縄のヒーロー像をイメージしていて、戦後の焼け野原からたくましく立ち上がってきたウチナーンチュの姿を表現しています。また、裏に回ってみると、その顔はガスマスクに覆われています。

志喜屋徹さん「向こう側を未来、後ろを過去としているんですね。過去沖縄で起こった悲惨な戦争は消すこともできない、忘れてはいけないこと。だけどだからこそ、それを知っているからこそ、平和、明るい未来それを目指す、そこに向かっていくべきだなって」

見えている部分だけでなく、表も裏も知ってこそはじめて本質を理解できるのではという強いメッセージが伝わっています。

志喜屋徹展「TWO FACE」志喜屋徹作品展

志喜屋徹さん「相手はどう感じているか、相手の正義はどうなんだろうということをちゃんと感じ取る、そういった考え方も必要なんじゃないかと思っている。それがあれば平和でいられるんじゃないかと思っている」

作品展「TWO FACE」は、今月16日まで、那覇市のギャラリーアトスで開かれています。