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沖縄で今を生きる人々にスポットをあてる「イマジンおきなわ」です。県内には本島北部や離島など、図書館がない地域が多く存在します。それらのエリアに沢山の本を届ける県立図書館の「空とぶ図書館」の取り組みに密着しました。

本を開くと、そこに広がる新しい世界、発見や冒険をさがしにいこう、本と出会って。

この日、県立図書館のバックヤードで本の発送作業に追われていたのは司書の皆さん。

県立図書館 神里 茉里さん「図書館のない地域の方に図書館という『場』を体験してもらう為に移動図書館・空とぶ図書館を開催しています。

#IMAGINEおきなわ vol.85「空とぶ図書館、南大東島へ」

県民の「知」と「心」の拠り所となる、という使命を掲げた県立図書館。しかし本島北部や離島など、図書館がない地域が多く存在します。それもかなり広範囲。どのくらいの広さかというと、

県立図書館 神里 茉里さん「東京と山口と金沢の範囲を飛び回って本を届けている」

それが「空とぶ図書館」です。インターネットや電子書籍、通販で本を買う事もできますが、図書館のない地域では読書習慣、書籍による知識の習得が難しくなってしまいます。

県立図書館 神里 茉里さん「紙の本はめくる楽しさがあって、読んでいるときの手触りが楽しいので紙の本も読んでほしいというのはありますね」

そこで空とぶ図書館では、北は伊是名島から南は波照間島まで空を飛び、船に乗り、あるいは車で、本を届けます。その数は最低でも600冊、多いと2000冊!ジャンルも多岐にわたります。

#IMAGINEおきなわ vol.85「空とぶ図書館、南大東島へ」

県立図書館 呉屋 貴司さん「どの島・開催地でも大きく分けて紙芝居、絵本、児童書、一般向けの小説、料理本、子育て本、その他の本、沖縄関連の郷土本」

他にもアンケートや現地で聞き取りしたリクエスト本、旬の話題などの特集。

県立図書館 呉屋 貴司さん「健康本は必ずどの島にも持って行きますし、理容室や美容室もない島が殆どなので子どものヘアカットの本とか」

釣り、DIY、オールジャンルでありとあらゆる本を、現地の人の事を考えながら選んでいます。

#IMAGINEおきなわ vol.85「空とぶ図書館、南大東島へ」

県立図書館 呉屋 貴司さん「たくさんの本の中から出会ってもらうというのが一番の図書館としての役割あると思うので」

県立図書館 神里 茉里さん「子どもたちが来て『本が並んでる!』というのを聞いて嬉しかったりする」

いよいよ今回の開催地、南大東島に向けて出発です!

県立図書館 神里 茉里さん「毎回滑走路に向かっていくときはワクワクします」

隣の席には島の製糖工場で働く県立図書館の常連という男性が。

結構楽しみ?男性「そうですね、あれ読んでみようとかいうのがあれば」

南大東島までは1時間、でも朝が早かったので・・・

寝てました?神里 茉里さん「ウン」

#IMAGINEおきなわ vol.85「空とぶ図書館、南大東島へ」

県立図書館 神里 茉里さん「アレですかね(島を指す)」

那覇から東に360km、人口約1200人の南大東島。1年ぶりの「空とぶ図書館」の開催です。到着後、休む間もなく準備にとりかかります。

午後1時開館、一人目の来場者は赤ちゃん連れのママでした。ママが本を選んでいる間、赤ちゃんは絵本でお楽しみ。

ママ 借りた本 小説「小説が好きなので、よく面倒みて下さるので助かります。(本屋が)あったらうれしいんですけど」

#IMAGINEおきなわ vol.85「空とぶ図書館、南大東島へ」

続々とやって来る子どもたちとママたちで賑わってきました!今回は沖縄美ら海水族館の缶バッジ作りなどのイベントも同時開催、子どもたちに大人気です。

もうすぐ2歳の男の子とママ「アンパンマン借りた(楽しみにしていた?)そうなんです、アンパンマンの本を借りたいって」今日帰って何する?「絵本よむ!」

飛行機で隣り合わせた男性もやって来ました。

男性 借りた本「宝島ですね」「(映画になるのは知っているけど)やっぱり活字で読みたいかなと思って借りました」

役場勤務の男性「お金が欲しいので金利の本(笑)老後の資金を貯めるため勉強したいと思います」

熱心に絵本を選んでいるのは小学1年生と幼稚園児の仲良し姉妹。

#IMAGINEおきなわ vol.85「空とぶ図書館、南大東島へ」

姉「本が好きだから(空とぶ図書館に)行きたいって言ったらいいよって言ってくれた。好きなの選んで借りてみる」

2日目は土曜日、朝からパパも一緒の親子連れでワイワイ。

20代ママ「2冊借りました」やっぱり絵本好き?「自分で持ってきて見てます」

21歳ママ「離乳食、ごはん」いっぱい見てましたね「ウフフ、今はこんなのしか読まない」

きれいに出来ましたか?缶バッジつくる女の子とママ「ウン!」女の子「パパにケーキちゅくる。ケーキちゅくるお手本の本とか」ママ「お父さんの誕生日ケーキを作るための本を借りて、きょう材料買って帰るって 笑」「これを借りてね、これ借りたんだよね」

#IMAGINEおきなわ vol.85「空とぶ図書館、南大東島へ」

その本のレシピで無事、おいしそうなケーキが出来ました!

閉館間近、最後に本を借りに来たのは那覇に行ったらまず本屋に行くという本好きの女性。

毎回来る?40代女性「はい、楽しみにしています」借りた本 料理本「これは娘がおうちで作りたいってことで、東野圭吾さんの本、娘が気に入っているので予約して取り寄せてもらいました」

#IMAGINEおきなわ vol.85「空とぶ図書館、南大東島へ」

午後1時、2日間の「空とぶ図書館」閉館です。

県立図書館 神里 茉里さん「どうなるかなって、緊張してドキドキだったんですが、開催して本当に良かったなと思う2日間でした」

南大東村教育委員会 照喜名 あずささん「普段簡単に手に取れない本を、今回お母さんたち、子どもたちに見せられたことが大変良かったなと、図書館にない本があったりするので子どもたちも含めて、授業の一環で来たので良かった」

2日間で訪れた島の人は95人、借りられた本は156冊でした。今月も来月も、空とぶ図書館は島のどこかで開催されています。

#IMAGINEおきなわ vol.85「空とぶ図書館、南大東島へ」