著作権や肖像権などの都合により、全体または一部を配信できない場合があります。
来年秋に完成を予定している首里城正殿の外壁の塗装が、このほど完了しました。建物全体が漆で塗られることから「巨大な琉球漆器」の別名を持つ首里城。
2024年2月、塗装工事が始まりこれまで50人もの漆職人の手で色を重ね、2025年1月には、塗装の仕上げにあたる「上塗り」の段階へ。正殿では、場所ごとに3種類の赤が使い分けられていて、そのうち、大部分の柱や壁を彩るのは、「久志間切弁柄」という平成の復元時には、再現できなかった王国時代の「赤」です。
火災で焼失した前回の正殿よりも、落ち着いた色味になっていて保護剤の役割を果たす桐油などと配合し、ローラーやはけで塗られていきました。
また正殿の正面に位置する「向拝柱」と呼ばれる柱は、外壁塗装の中でも作業工程が「27」と最も多く、2本の柱には彩色が施され、優しい表情を浮かべる金の龍や、色鮮やかな瑞雲などが職人の手で丁寧に描かれました。
塗装工事を指揮・森田哲也さんは「古文書から紐解いたことや今までの平成からの復元で使われた技術を踏まえて今作業しているので、また若手に引き継いで技術の継承をやりつつしっかりと仕上げられたら」と話しました。
塗装工事は2025年7月から、本格的に正殿内部に着手していくということです。