経済に関するニュースをお伝えするビジネスキャッチーです。きょうは、りゅうぎん総研の長山さんに解説していただきます。
りゅうぎん総研の長山さん「よろしくお願いします」
テーマは「若年層の県外流出の実態と課題」です。進学や就職を機に、沖縄を離れる若者も少なくないようですね。
りゅうぎん総研の長山さん「県内でも15歳~64歳の生産年齢人口の減少と高齢化が進行しています。そんな中、若年層の県外流出が地域社会や経済活動に影響を及ぼすことが懸念されています」
若者が県外に挑戦することは、スキルを身につけられることや個人の成長にとっても意義のあることだと思うのですが?
りゅうぎん総研の長山さん「おっしゃる通りです。しかし、沖縄の経済的・社会的な持続的発展を考える上で、若年層の流出は重要な課題の一つとなっています」
りゅうぎん総研の長山さん「こちらのグラフは、2025年の転入/転出者数と転出超過数を示したものです。15~24歳の若年層で大幅な転出超過となっています」
大学進学や就職と重なる年代だけ転出超過となっていますね。実際はどうなのか、県内の高校生の声を聞いてみました。
高校生へインタビュー
Q.なぜ県内進学を希望している?
県内進学志望の学生「将来なりたい仕事があり、専門学校に行こうと思う。県内の専門学校を見つけたので、そこに行こうと思っている」
県内進学志望の学生「語学を勉強したくて(県内の学校)で、やりたいことが学べる」
県内進学志望の学生「最初は県外(志望)だったが、寮などにお金かかるので、県内に絞った。沖国大に行きたい」
県外進学志望の学生「県外でやりたいこと、行きたい大学があって」どんな分野ですか?「北海道で馬産を(学びたい)」
県外進学志望の学生「研究をしている(県内)大学が少ない。僕の場合は情報工学・情報理学で、沖縄の大学には研究室があまりなく県外に行きたいと思っている」
県外進学志望の学生「県内に行きたい学科がなくて県外に出るしかない。奨学金も借りたいと思う」
県外進学志望の学生「県外で学びたい分野がある。上京したいという思いが強い」
回答数114人中、約55.3%が県外、約44.7%が県内という結果になりました。
りゅうぎん総研の長山さん「こちらのグラフは、大学進学者数の推移です。2020年以降は、男女ともに県外進学の割合が高まっています」
県外進学が増えている理由はなんですか?
りゅうぎん総研の長山さん「県内の大学数が少ないことや、インタビューにもあったように県内に希望する学部・学科が存在しないことが県外進学を選択する一因と考えられます」
他にも県外へ進学するための後押しがあるそうですね。
りゅうぎん総研の長山さん「はい。例えば渡航費支援などの県外進学支援制度がいくつかあり、県外大学を進学先として選択しやすい環境が整備されています」
続いて、二つ目の転出の転機となるのが「就職時」ですね。
りゅうぎん総研の長山さん「はい。今年卒業した学生の県外内定者の割合は、大卒者で41.5%まで高まっており、就職先に県外を選択する傾向が強まっていることが推測されます」
地元沖縄に就職を希望する若者は少ないのでしょうか?
りゅうぎん総研の長山さん「実はそんなことはなく、Uターンを含む地元就職を希望する割合は、2027年卒で55.5%となっています。若年層には、一定の地元志向が存在するものの、実際の県内就職には十分に結びついていないのが実状です」
原因は何でしょうか?
りゅうぎん総研の長山さん「主な要因は、県内の労働・経済環境にあります。年齢階級別給与額をみると19歳以下で全国最下位、20~24歳で44位となっており、全国最低水準です」
沖縄は生活コストも高いといわれていますね。
りゅうぎん総研の長山さん「はい。地域間物価指数は全国を100とみた場合、県内の物価水準は101.2と全国で5番目に高く、所得に対して生活コストが高いため、県外就職を選択する要因となっています」
なぜ沖縄の給与水準は低いのでしょうか?
りゅうぎん総研の長山さん「根本的な問題として、労働生産性が低いことが挙げられます。労働生産性が低い背景には、観光業などの対人サービス業や、小売業など人手を必要とする労働集約型産業の比重が高いことが考えられます」「労働生産性が低いと、企業の賃金や福利厚生、キャリアの形成に向けた投資余力が限定され、県外との賃金や待遇の差を通じて若者の県外流出の一因となる可能性があります」
若年層の県内定着を促進するためにはどうすればよいのでしょうか?
りゅうぎん総研の長山さん「はい。次の4点を挙げました。1早期キャリア教育支援の強化。2県内企業における育成体制の充実とキャリアパスの明確化、3支援制度の活用促進に向けた情報発信の強化、4地域環境の整備と多様な働き方の推進」
りゅうぎん総研の長山さん「まず1つ目に『早期キャリア教育支援の強化』です。小中学生の段階から身近にある産業や職業に触れ『興味・関心がある職業に就くためにはどの学校へ進学すればよいか』という視点を育む産官学連携の体制を構築します」
早い段階でいろいろな職業を知っておくと、将来の選択肢が広がりますね。
りゅうぎん総研の長山さん「つづいて2つ目は『県内企業における育成体制の充実とキャリアパスの明確化』です。研修やメンター制度、インターシップを充実させ将来像を描ける環境を整えることで採用後のミスマッチや早期離職を防ぎます」
3つ目は何でしょうか?
りゅうぎん総研の長山さん「はい。『支援制度の活用促進に向けた情報発信の強化』です。企業は、自治体などが実施する支援制度や補助事業の情報を積極的に収集し、雇用環境の改善や人材確保に向けて活用していくことが大切です。
最後は何ですか?
りゅうぎん総研の長山さん「はい。『地域環境の整備と多様な働き方の推進』です。若者の県内定着を促進するためには企業の魅力向上はもちろん、生活の質を高めることが求められます。柔軟な働き方を可能とする企業の取り組みは、若年層が県内で多様な働き方を選択できる環境づくりになると言えます」
働きやすい職場環境の整備を進めることは県内企業の人材確保につながると言えそうですね。
りゅうぎん総研の長山さん「教育・企業・行政・地域が一体となった取り組みを重ねることで、沖縄が『帰りたくなる場所』として魅力を増していくことが期待されます」
きょうはりゅうぎん総研の長山さんに解説していただきました。ありがとうございました。
りゅうぎん総研の長山さん「ありがとうございました」
以上、ビジネスキャッチーでした。
