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今月は、乳がんの早期発見などを目的に、世界中で様々な啓発活動が行われる「ピンクリボン月間」です。

乳がんの治療中には副作用によって起こる「脱毛」「爪や肌の変色」など、外見の変化に悩む人も少なくありません。

自分らしく生きるために、患者を精神的に支える治療の今を取材しました。

「ママかわいいよ」乳がんの治療中も、治療後も「アピアランスケア」

玉城奈々さん「脱毛があった時も(子どもが)ママかわいいよと言ってくれて。やっぱり髪の毛はみんな抜けちゃうんだなと。病気を実感した」

金城和久子さん「爪って3重になっているみたいで、表の方の薄いのがまず爪先から剥がれていって。他の方に聞くと、爪が全部取れちゃった方もいるみたい」

「ママかわいいよ」乳がんの治療中も、治療後も「アピアランスケア」

脱毛肌の色素沈着爪の変化。がん治療の副作用として表れる髪やまつ毛・肌など、外見の変化に悩む患者をサポートするためのケアをアピアランスケアといいます。

がん治療を続ける患者の精神的支えとなっている治療の今を追いました。

「ママかわいいよ」乳がんの治療中も、治療後も「アピアランスケア」

6月に乳がんと診断された玉城ななさん。看護師として週に2、3日時短勤務しながら抗がん剤治療も同時に行っています。

玉城奈々さん「看護師という仕事でも体調管理をしないといけなくなる。利用者から心配されないように、自分はまず顔色なども明るく、表情も明るくと気をつけている」

玉城奈々さん「(Q.髪の毛はウィッグですか?)ウィッグです、全部。2週間くらいでしっかり抜けてしまったので」

玉城奈々さん「ウィッグは快適というわけではなくて、わずらわしかったり暑くて蒸れたりするので。外に出る回数や外食したいと思っても、さあすぐに行こうというふうになれなくなった」

「ママかわいいよ」乳がんの治療中も、治療後も「アピアランスケア」

生活や人との関わりが変化していく中、家族の存在が大きな支えとなりました。

玉城奈々さん「息子も『僕も髪切るよ』というので、旦那と息子も髪を短くしてくれて。ショックは受けているけど、一緒に頑張ろうねと」

家族に支えられながら、今は抗がん剤治療の際に肌のケアも取り入れています。

「ママかわいいよ」乳がんの治療中も、治療後も「アピアランスケア」

3年前に乳がんに罹患し、治療や手術を終えた金城和久子さん。今は数カ月に一度、通院しながら経過観察中です。金城さんもまず経験したのが「脱毛」でした。

金城和久子さん「家族の前では泣けないと思って。毎日お風呂場でシャンプーの度にひとりで泣いてすっきりして出るという感じ」

脱毛だけでなく、肌や爪の色素沈着が大きく現れたといいます。

金城和久子さん「末端、手首から先、足首先、首から顔全部がまっ茶色になった。自分でもびっくりするくらい手は枯れ枝のように乾燥もするし、爪はグレー色全部。抗がん剤治療の時はグレーになってカサカサ、爪もカサカサで剥がれていたり、先端が剥がれていたり」

「ママかわいいよ」乳がんの治療中も、治療後も「アピアランスケア」

金城和久子さん「普通のマニキュアじゃなくて、水ですぐ落とせるような(専用の)マニキュアを(那覇西クリニックが)置いていたので『全部塗っていいよ』と言われて。塗って少しでも気持ちが上がるようにと配慮をしてくれた」

ネイルやマスク・帽子・ウィッグなどで外見を整えながら事務の仕事を続けていました。

「ママかわいいよ」乳がんの治療中も、治療後も「アピアランスケア」

金城和久子さん「私の場合は多分仕事に行くことで社会とつながっていられるという、世間から自分が治療で閉じこもっていないと思えたので」

治療をしながら仕事をする人も。

那覇西クリニックでは、去年11月から県内で初めて外見ケアに特化した支援体制を整えています。

「ママかわいいよ」乳がんの治療中も、治療後も「アピアランスケア」

那覇西クリニック看護師・坂本亜以さん「2023年に厚生労働省でも(第4期)がん対策推進基本計画が閣議決定されて、アピアランスケアの必要性を取り上げている。美容目的ではなくて自分らしく治療を続けながら、その人にあった価値観を大切にして、その人らしく暮らしていけるように外見をケアするのが目的」

また今年2月から、化学療法前の通院患者を対象に臨床試験を始めていて、現在12人が参加しています。

抑毛や育毛の効果がある頭皮冷却のほか、看護師が肌や爪のケアのアドバイスをするなど、患者の心に寄り添った取り組みをしています。

「ママかわいいよ」乳がんの治療中も、治療後も「アピアランスケア」

玉城奈々さん「治療に対してマイナスになりすぎずに、対策をとりながら頑張って治療に向き合ってほしい」

「ママかわいいよ」乳がんの治療中も、治療後も「アピアランスケア」

金城和久子さん「ただ今までのお化粧をするということとは全く違う。自分の心も本当に前向きになって、治療を最後まで頑張ろうと思える原動力みたいなもの」

乳がんでも外見の変化や悩みは一人ひとり異なり、だからこそ必要なケアや始めるタイミングも人によって変わります。

自分らしく生きるために。それが「アピアランスケア」です。

金城和久子さん「アピアランスケアは大切だと思います。心の健康です」

「ママかわいいよ」乳がんの治療中も、治療後も「アピアランスケア」

厚生労働省が「治療による外見の変化」について、乳がんサバイバー約1000人に行ったアンケートでは、4割の人が「見た目の変化で人と会うのが億劫になった」「仕事や学校を辞めたり休んだりした」と答えています。

「ママかわいいよ」乳がんの治療中も、治療後も「アピアランスケア」

また、外見に関わる苦痛度では「髪の脱毛が乳房の切除を上回った」という調査結果もあります。

乳がんと戦う中でこんなにも外見の変化が起こるというのをたくさんの方が知り、また、今闘病中の方が少しでも前向きに病気と向き合うヒントになればうれしいです。ここまで特集でした。