開幕からまもなく1週間が過ぎようとしている北京オリンピック。雪や氷に囲まれたスポーツは沖縄とは無縁、というわけではないんです。ここに1冊のマンガ本があります。沖縄を舞台にカーリングを題材にした「南風原カーリングストーンズ」というマンガです。

沖縄出身の作者に、カーリングの魅力や暖かい南の島からウインタースポーツを発信する意義を聞きました。

なかいま強さん「ここへ入ってきたときから、どこでカーリングシートが作れるかなってずっと考えていたんですよ。一番最初に取材に来たとき。これ縦に使えばいけるなって、確信持って・・・霜の感じとかね。なかなか絵で表わすの難しいんだけど、ここ寒いんだという感覚が分かるようなところは、なるべく表すようにはしてましたけど。沖縄でこの冷気。憩いの場ですよね。オアシス。暑い中から入ってきて、は~っという。出たり入ったりするだけで、いいな~って感じですよね」

沖縄で感じるウィンタースポーツ・南風原カーリングストーンズ

南風原町にあるスケートリンクをモデルにしたマンガ、その名も「南風原カーリングストーンズ」。カーリングの強豪・北海道で、オリンピック出場を目指していた女子選手が、ひょんなことから、沖縄に移住し、地元の青年たちを巻き込んで、ゼロからカーリングを始める物語です。

常夏のイメージ「沖縄」と冬の競技「カーリング」という異色の組み合わせを実現させたのが、沖縄出身のベテランの漫画家・なかいま強さんです。1984年から20年にわたって連載していた野球漫画「わたるがぴゅん! 」など、これまで数々のスポーツものを描いてきました。

カーリングとの出会いは、20年以上前に、偶然テレビで日本代表が出ている世界大会をみたことでした。

なかいま強さん「たまたま見て、カーリングどんな競技だろうってちょっと思って、見てたら案外おもしろくて、けっこう世界の一流どころと、互角に戦っていたんで、これいいなと思って」

カーリングとは、ストーンと呼ばれる取っ手のついた丸い石を滑らせて、およそ37m離れたハウスと呼ばれる赤と青の丸い目印に止めるスポーツです。ハウスの中心から、より近い場所にストーンを置いたチームが得点を得る権利を持ち、相手チームの置いたストーンより内側にある個数が得点として加算され、その合計点を競います。相手チームのストーンを弾き出したり、中心に置かせないようにストーンを配置したりと戦略がものをいうだけに、よく、氷上のチェスと例えられます。

なかいま強さん「チェスはマス目に置くのに失敗することないでしょ。でも、カーリングはスポーツだからここをこうすれば良いと思ってて、そこへ投げる能力がなければ、作戦だけ立てたって、そんなこと(スポーツとして)成り立たないんですね」

沖縄で感じるウィンタースポーツ・南風原カーリングストーンズ

マンガを描くために、なかいま先生もカーリングを体験したことがあるといいます。立つこともおぼつかない氷の上で1つ20kgの重いストーンを目線を低くして狙いを定めたり、目的の場所に届かせるために氷の粒をスウィーパーでこすったりした時に、見た目以上に筋力が大切なスポーツだと気づかされたそうです。

なかいま強さん「僕なんかやったら、ぐらぐらしてストーンをまっすぐなげることすらできないし、あの体勢を維持することすらできないし、それを狙って置くなんてことは神技に近い」

見るだけでなく、体験したからこそ、分かる奥深さ。「南風原カーリングストーンズ」は、ウィンタースポーツに縁遠い沖縄を舞台に、今までやったことがなかったカーリングに打ち込む青年たちの青春物語を描いています。

なかいま強さん「沖縄の人には、カーリングのおもしろさと、(今は環境がないかもしれないけれど)でも、やろうと思えばできんこともないよ、という。そこでサザンヒルというのを実際に出したかったわけ。沖縄でも、サザンヒルを何とかすりゃ、カーリングやれる環境が作れるかもよ、みたいなね。できるかもよ、と思うことが大事だと思うんだよね。最初からできん、できんじゃなくて、どうやったらできるのかな、と考えることが大切かな、というのは沖縄の人には伝えたい」

沖縄で感じるウィンタースポーツ・南風原カーリングストーンズ

最後に、なかいまさんに今回の北京オリンピックで楽しみにしていることを聞きました。

なかいま強さん「ロコソラーレの選手たちはとっても楽しそうにカーリングするんですよね。あの楽しそうに、溌剌とやっている姿を見るだけで楽しいし、それをみんなにも見てもらいたい。皆さん、カーリングというものが、あまりよく分からない。ルール難しいと思うかもしれないけれど、ラストストーンのダイナミックさは誰が見ても分かりやすい。ぜひ、見てもらいたいと思いますね。そこで火がついたら、まずやるとこないから、南風原カーリングストーンズを読んで、うさばらしをして(ほしい)。よろしくお願いします」