沖縄国際大学にアメリカ軍のヘリコプターが墜落した事故からきょうで17年になります。しかし、今もアメリカ軍機による事故は発生し続けていて基地による危険性は放置されたままです。

事故の現場となった、沖縄国際大学ではきょう、学長らによるメッセージが公開されました。

沖縄国際大学 前津榮健学長「あの日の墜落現場の惨事と米軍の理不尽な事故処理に対する市民県民の憤まんやるかたない強い憤りが時間の経過とともに薄れていくのも残念ながら現実でもあります。米軍ヘリコプター墜落事故の惨事の記憶を風化させてはなりません」

普天間基地の大型輸送ヘリ「CH53」が沖縄国際大学に墜落し炎上した事故からきょうで17年です。沖縄国際大学では毎年この日に、事故の記憶が風化することを防ぐため墜落現場で集会を続けています。

しかし、ことしは新型コロナ感染拡大のため中止になってしまいました。代わりに学長と生徒らの声明が大学のホームページで公開され、平和の尊さを訴えました。

沖国大ヘリ墜落から17年

沖縄国際大学 4年次 比嘉夏香さん「私はその当時4歳だったんですけど、家族みんなが慌ててた様子は小さいながらに覚えていて、日頃から(事故が)自分の身に起こったらどうしようとか考えながら行動していくことが大切なんじゃないかと思います」

沖縄国際大学 2年次 石川舞さん「沖縄国際大学の教室の中にヘリの破片がはいってる写真とか、衝撃的な写真があったんですが、日常と危険が隣り合わせであってはいけないかなと思います」

玉城知事「平成16年に沖縄国際大学のヘリコプター墜落事故以降も、普天間基地所属機による事故は後を絶ちません。当然、周辺住民は航空機事故への不安をずっと抱えたままになっています」

17年前の悲惨な事故によって日本とアメリカとの間にある問題が浮かび上がったと専門家は指摘します。

沖縄国際大学 前泊博盛教授「(米軍による)事故が起こったときに調査権を行使できないというのが日本の日米地位協定の特徴ということになりますね。それが浮き彫りになったのが沖縄国際大学のヘリ墜落事故だったと思います」

沖国大ヘリ墜落から17年

その問題とは、例え基地の外で起きた事故であっても日本側は事故の調査が出来ないという日米地位協定の壁でした。アメリカ軍が事故現場を取り囲み報道機関も日本の警察ですら立ち入ることが出来ないようにしたのです。

沖縄国際大学 前泊博盛教授「結局ヘリが墜落してはっきりしたのは、日本側が米軍に対してものが言えない状況にあると。米軍側に対する規制、制圧することができない、国内法を適用できない」

沖縄は沖国ヘリ墜落事故から17年経った今も基地の危険と隣り合わせの生活を強いられ続けています。県のまとめでは1972年の本土復帰以降、アメリカ軍機の事故は去年12月末までに826件も確認されています。

そのうちヘリコプターによる事故は145件で、内訳は墜落事故が18件部品等の落下が27件不時着が79件などとなっています。

発生場所別では基地内が37件、基地の外が108件となっています。単純計算で本土復帰からここ50年近くの間に1年で16.8件、1カ月では1.4件のペースでアメリカ軍航空機による事故は発生していることになり、決して「めったに起きないもの」ではないことが分かります。

沖国大ヘリ墜落から17年

基地による危険性の除去のためには、ヘリコプターの飛行そのものをさせるべきではないと前泊教授は指摘します。

沖縄国際大学 前泊博盛教授「ヘリコプターについて言えば、基地内では事故は少ないんですね。じゃあ、ヘリコプターはどこで落ちているかというと、実は100件あまりは(基地の)外で落ちてるんです、(基地の)外で、外で事故が起こっています。ヘリコプターについて言えば、この普天間基地が危険というよりも、普天間基地を飛び立った米軍機が危険なんですね。(基地の)外で事故を起こすんです。このヘリコプターを飛ばさないことが大事なんですね」

沖国ヘリ墜落事故から17年、県民は今もアメリカ軍航空機による事故の危険性と隣り合わせの生活を強いられ過重な基地負担を背負わされ続けています。この異常な状況に果たして慣れてしまっていいのでしょうか。