山城アナウンサー「楽園の海、案内は水中カメラマンの長田勇さんです。今回のテーマは『海のご近所付き合い』です」

長田さん「今回は、たまたま住むところが隣り合わせになってしまった生き物たちを、紹介していきたいと思います」

山城アナウンサー「楽しみです。早速見て行きましょう!」

長田さん「まずは、綺麗な砂地に群生する枝サンゴに住み着いた生き物たち。ぱっと見だけでも3種類の魚がいますね」

山城アナウンサー「沢山いますね~!」

楽園の海 ~海のご近所付き合い~

長田さん「一番目立つのが、ヨスジフエダイの幼魚。枝サンゴを住処にするのは、幼魚の時期だけ。体が小さいうちは、スズメダイと仲良く近所付き合いしてますが、もう少し育つと、ここから出て行きます」

山城アナウンサー「1人立ちしていくんですね!」

長田さん「黒っぽい魚は、フタスジリュウキュウスズメダイ。シマシマの魚は、ミスジリュウキュウスズメダイ。この2種類は、もう成魚になってます」

山城アナウンサー「この魚たちは出ていかないんですか?」

長田さん「(この2種はサンゴから出ていかないのですが)近くに住処となりそうな他のサンゴがないので、このサンゴがある限り、ず~っとご近所さんの関係だと思います」

山城アナウンサー「仲良く暮らしてほしいですね!」

長田さん「こちらのテーブルサンゴにも3種類ほどの魚の姿がありますね」

山城アナウンサー「なんだか出たり消えたりしてますね!」

長田さん「はい。その中で一番目立つのが、紫色のナンヨウハギの幼魚。この魚も、大きく育ったらこのサンゴから出ていきます。フタスジリュウキュウスズメダイの子供とデバスズメダイの姿も。先ほどのサンゴより枝の隙間が狭い分、小さめのスズメダイが住み着いてますね」

山城アナウンサー「なんだか隙間が多くて住みやすそうですよね!」

長田さん「しばらくは、ご近所付き合い続きそうです。お次はこちら、沖縄で見られるクマノミ6種類のうち、一番個体数の少ないトウアカクマノミ」

山城アナウンサー「ん!パッと見ですが、ご近所さん居なさそうですね」

楽園の海 ~海のご近所付き合い~

長田さん「はい。砂地にポツンとあるイソギンチャクに住んでいるので、ご近所さんは居ないはずですが…「家政婦は見た!」状態で、家族の様子を見ているのは、クマドリカエルアンコウ。結構、人気のある魚なんですよ」

山城アナウンサー「可愛い!けど…ご近所にいましたか?」

長田さん「普通、気づかないですよね。もう一度、上から見てみると…ここです。たまたま、カムフラージュしたい海藻が近くにあったようですね。しかしもう一つ、この場所で身を潜める理由…実は、獲物としてクマノミを狙っているんです」

山城アナウンサー「えぇー!迷惑なお隣さんですね!」

長田さん「可愛らしい見た目から人気者ではありますが、絶対に隣には引っ越してきてもらいたくないですよね」

山城アナウンサー「なんだか悪い奴に見えてきました!(笑)」

長田さん「外敵から身を守るために黄色いお魚、スミツキトノサマダイの幼魚が住み着いた枝サンゴ。同じサンゴの奥深くには、モシオエビ。なかなか全身を見せてくれず、正面から顔を撮影できたことはありません」

山城アナウンサー「シャイなエビなんですね!」

長田さん「そうかもしれません。お隣に暮らすのはアカテンコバンハゼ。このハゼ、沖縄本島では個体数の少ないハゼ。それぞれが、もう大人の大きさなので、このサンゴがある限り、ず~っと、ご近所付き合いが続きそうです」

山城アナウンサー「平和に住み続けてほしいですね!」

長田さん「はい。そうですね!」

山城アナウンサー「(ウツボを見て)うわぁー大きい!」

楽園の海 ~海のご近所付き合い~

長田さん「岩陰にいるのは、キンギョハナダイ。その奥にはドクウツボ。ハナダイにしてみれば、恐怖の隣人みたいな状態ですよね」

山城アナウンサー「絶対食べられちゃう…」

長田さん「その恐ろしいドクウツボを突っついている魚が。ソメワケベラです」

山城アナウンサー「なにしてるんですか?」

長田さん「この行動は、ウツボの寄生虫を食べているんです。ソメワケベラはウツボに守られて、お互いに、いてくれて有難い存在」

山城アナウンサー「支えあって暮らしているんですね!」

長田さん「はい。最後は、ミツボシクロスズメダイと小さなイソギンチャクモエビ」

山城アナウンサー「ん?後ろで、何か動いてませんか?」

楽園の海 ~海のご近所付き合い~

長田さん「そうなんです!お隣さんの正体は…?なんと、タコでした。この環境、嫌ですね~。」

山城アナウンサー「落ち着けなさそうですね」

長田さん「そうですよね~。堂々と頭かいてますよ」

山城アナウンサー「余裕の表情ですね~」

長田さん「そんな余裕のタコに対抗しているのか、イソギンチャクの横でいつもお尻を持ち上げてダンスをするイソギンチャクモエビ」

山城アナウンサー「なんですかこれ!可愛い(笑)」

長田さん「逃げる様子もないので、怖くはないようですね。ミツボシクロスズメダイもタコの存在に気付いているとは思うんですが、余裕で泳いでます」

山城アナウンサー「実は仲良いんじゃないんですか?」

長田さん「そうかもしれませんが、どうやらタコにとっては、小魚や小さすぎるエビは、獲物ではないようです。タコは、住処をいくつか持っていて、移動しながら生活しているので、ずっと、隣同士ではないと思いますが、スズメダイやエビにとっては早く出てってくれーって思ってるかもしれませんね」

山城アナウンサー「もしかしたらあのダンスもそのアピールだったんでしょうか?」

長田さん「どうでしょうか?実は、ベラとウツボのようにタコが心強い用心棒の役目をしているのかもしれませんね」

山城アナウンサー「仲良く暮らしてほしいですね。今回も貴重な映像ありがとうございました。以上、楽園の海でした」