※ 著作権や肖像権などの都合により、全体または一部を配信できない場合があります。

新型コロナの影響で街のライブハウスなども自粛をせざるを得ない状況が続いていましたが、歌が人々を力づけたり元気にするシーンも沢山あったのではないかと思います。様々な思いをもって音楽に取り組む人々のイベントを取材しました。

心おどるリズム! 普段私たちが接する音楽とは一味違った独特な楽器の演奏や歌が人々を魅了します。3月半ばの那覇。演奏されているのはアフリカ音楽。

イベントを企画したのは古謝麻耶子さん。普段は県立芸大と沖縄キリスト教学院大学で音楽の講師をしています。古謝さんがアフリカに出会ったのは琉球大学の大学院を卒業後、JICAの青年海外協力隊員として赴任したのがきっかけでした。

古謝麻耶子さん「知らない国に行ってみたいって気持ちは小学生の頃から。世界一周してみたいってずーっと将来の夢の欄に書いてあって、その気持ちと音楽が重なり合って、それで音楽教員として青年海外協力隊で(行った)」

東アフリカの国モンザビークが赴任先だった古謝さん。はじめは文化や人種の違いに戸惑いました。そんな古謝さんと現地の人たちとを結びつけてくれたものそれが音楽でした。

古謝麻耶子さん「教室では西洋音楽、私が知ってる知識を教えて放課後は皆の音楽を教えてもらって生徒の家に遊びに行ったり奥地は本当に奥地で電気も通ってなくて。そういうところほど皆で集まって踊ったり歌ったりって事が頻繁にしかもすごいエネルギッシュに行われていて」

歌が人々を元気に!魅惑のアフリカ音楽

今も古謝さんはモザンビークで出会った夫と5歳になる娘も一緒に、定期的に現地に通いながらアフリカの音楽や文化を楽しんでいます。

古謝麻耶子さん「ちょっと違う国で得たエッセンスを皆で共有することで新しい世界を共有できるっていうのも自分はやっていきたい」「向こうのミュージシャン呼んだら一番その良さを体感できると思って、それで皆と沖縄の人たちと一緒に音楽を楽しむ場を作っていきたいなと今活動中です」

「バナナバナナ沢山食べたいな♪おなかいっぱい沢山食べたいな♪」

アフリカの音楽は、民話と音楽が合わさった、いわば「ミュージカル」のような構成になっているものが少なくありません。内容も、欲張りや嘘つきが仲間から懲らしめられるなど教訓になっているものも多いのです。

観客の女の子「(アフリカの音楽は)普通と違った。女の子は可哀相だけど約束を守らなかったのが悪い」

鈴木さん「アフリカの人々は歴史や民話を音楽とともに語り伝えていく。マスメディアじゃなくて本当に日々の生活のなかで実際におばあちゃんおじいちゃんから子どもたちに口伝えで伝えられているのが現役で行われている」

この日、東京からゲストとして招かれた2人は夫婦で文化人類学者の鈴木さんとアフリカ大陸の西の方、コートジボワール出身のニャマさん。今回で3回目の来沖になります。

歌が人々を元気に!魅惑のアフリカ音楽

ニャマさんは元々コートジボワールの国民的歌手で、鈴木さんと結婚し来日しました。アフリカ音楽の楽しさを知って貰おうと、全国各地でライブを行っていましたが、古謝さんとの縁で3年前から沖縄でも演奏をするようになったのです。

ニャマさんは「グリオ」という、歌で民族の神話や歴史を伝える世襲性ミュージシャン(伝承音楽家)の家に生まれました。そのグリオの血でしょうか、ニャマさんの歌声は人々の心を震わせ、元気を与えます。

男性客「文化の伝承というか、そういうのの大切さを感じましたね。 元気をもらいました」

女性客「ニャマさんの歌声きいて、体がこう動く感じではあったけど(でしょ!)こう感じた、ああ感じた、あんまりすぐ言葉に出来ない(ああ~本当?でも元気は出た?)元気は出た!」

ニャマさん「それはグリオたちの歌は歌うとすぐに元気になるの。私たちの血は特別。グリオだから。元気伝えるのは上手」

鈴木さん「沖縄の人は自分たちの音楽とか文化持ってるでしょ、だから壁を感じた。アフリカはそうなの、うち等はこうなのみたいな、自分たちのものを持ってる強さを感じた。そういう風に最初は思ったけど段々我々も慣れてくると向こうも慣れてくるというか。そうすると段々気持ちよく交流できるようになった」

ニャマさん「最初は皆わかってなかったけど、もう3回目になったから、もう皆ノリノリ」

歌が人々を元気に!魅惑のアフリカ音楽

古謝麻耶子さん「アフリカと沖縄は遠いように思われるかもしれないけど色々なことで繋がっている、ただその繋がりを私たちは感じられないだけ、繋がりを感じるってことは世界を良くしていくためにもとても大切な事だと思っていて、そのとっかかりとして音楽っていうのはとっても素敵な出会いだと思う。音楽を通してアフリカと出会って欲しい、そして生きてる!って感じを(感じて欲しい)」

那覇の街角のお店で、異文化が出会い、人々に元気を与えています。

このお店(那覇のPunga Ponga:プンガポンガ)は新型コロナの影響をうけ4月と5月は営業を自粛(テイクアウトのブラジル弁当のみ販売)していましたが、6月になってから徐々にイベント開催はじめました。このあとも感染防止に気をつけながら様々なイベントを開催してゆきたいとのことです。