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ハンセン病家族訴訟 差別を生んだ国の罪認める

約90年続いたハンセン病に対する過った隔離政策によって差別や偏見を受けたとして元患者の家族たちが国に謝罪と損害賠償を求めていた裁判で裁判所は、国に対し賠償を命じる原告勝訴の判決を出しました。判決の結果を伝える勝訴の文字に熊本地裁前にいた原告らは歓喜の声をあげました。

『ハンセン病家族訴訟』は強制隔離という過った国策によって患者だけでなくその子どもやきょうだい、家族も差別や偏見に苦しめられたとして、全国各地の元患者の親や子ども561人が国に謝罪と損害賠償を求めています。訴えている人の出身地で最も多いのは沖縄県で、250人と4割近くを占めています。

国は隔離政策は家族が対象ではなく、直接、差別・偏見を生み出していない。2002年に患者と遺族への和解成立から3年以上が過ぎ、賠償を求めることができないと反論しています。

6月28日の判決で熊本地裁は、厚生労働大臣がハンセン病の隔離政策を廃止することや国会が、らい予防法の廃止をしなかったことなどが違法だったとし広く国の罪を認め、総額3億7600万円あまりの賠償を認めました。

判決後、原告の副団長は「勝訴判決とは言いつつも、自分の人生を取り戻しようがないわけですよね。それを思うと本当に、心の底から喜べるものかなというふうに思うんです」と話していました。