かつて夏の甲子園で2度の準優勝を果たし、一つの時代を築いた名門「沖縄水産」。その名門が再び動き出している。

去年秋の県大会では興南を下し、14年ぶりに優勝。続く春の県大会では準優勝と、古豪が復活。1998年以来、実に21年ぶりの夏の甲子園に照準を合わせている。

その気になる戦力。バッティングでは脅威の打撃力。3番には川端琉一朗、4番には主砲・真栄城徳二郎(まえしろ・とくじろう)と強力なクリーンナップが陣取る。

沖縄水産 真栄城徳二郎選手「ストレートと変化球、どちらにも対応できるバッティングが今のところできているかなと。」

そして、ゲームメイクの1番、2番には、去年の夏から試合に出ている上原大那(うえはら・だいな)、平安常人(ひらやす・つねと)の2人が俊足を飛ばし確実に点を繋げる。

4番には主砲・真栄城徳二郎(まえしろ・とくじろう)が座る。そして、古豪復活、沖縄水産の、秋の立役者になったのが、MAX144キロの國吉吹(くによし・いぶき)と、上原一帆(うえはら・かずほ)の左右のエースだ!

この3年生の二枚看板が、来る夏の大会でもチームをけん引すると思われていた。しかし。

沖縄水産 國吉吹選手「気の緩みでさぼってしまった。」

沖縄水産 上原一帆選手「秋の大会以降気が緩んで怠けていた部分があった。」

秋の県大会を制し、九州大会も経験した2人でしたが、それが「気の緩み」を生んだ。鍛錬の冬だったにもかかわらず、身が入らなかったと反省する。

沖縄水産 上原忠監督「良いピッチャー、良いバッター、機動力が使えるようなチームは目指すところではあるが、そんなチームは過去に何チームもあったが勝てなかった。チームワークや、個人が持っている人間性がしっかりしていないと勝てないし、人間性がしっかりしているチームが勝てたチームだった。」

チームを率いる上原監督は厳しく2人を指導。春の大会では、先発から外した。

この時、監督が2人に話したのが「ウサギとカメ」の譬え。それは、自慢の足の速さにおごり、寝ているウサギが足の遅いカメに追い越されてしまうという物語。ちょっとした心の油断が、勝利の勝敗をも分けるという上原監督の言葉だった。

そんな2人のエースの目を覚まさせた、コツコツとゴールを目指すチームメイトの存在が。それはまさに、ウサギとカメのような物語だった。

この夏、古豪復活に燃える沖縄水産。ところが、秋と春の快進撃によってチームをけん引するはずのエース2人に生じた「気のゆるみ」。上原監督はあえて2人を先発から外し、猛省を促した。

沖縄水産 上原一帆選手「投げたいという思いはあったが、自分の態度とか、秋が終わった後の練習態度だと、まだ信頼(の問題)もあると思うので。自分でこういう結果を招いているのでしょうがないというか。」

この時、エースを励ましたが、控えの選手としてチームを裏方として支えていた選手がいた。

沖縄水産 伊藤飛由選手「あの2人がさぼっていたら全部悪い方向に行ってしまうので、2人をしっかりさせてこそ沖水だと思っている。吹も一帆もなしでは夏は勝てないので、そこは心を鬼にして厳しく言った。」

伊藤飛由(いとう・ひゆう)くん。高校入学と同時に生まれ育った兵庫を離れ、沖縄にやってきた選手です。

沖縄水産 伊藤飛由選手「(小学4年の時に)沖縄に旅行で来て、興南高校が春夏連覇した時、スーパーとかに行っても興南を応援する島の人たちの姿を見て、沖縄で野球したいなと思って来た。」

沖縄で野球がしたい。伊藤くんに誘われ、野球部に入ったのが、同じ時に沖縄に来た、幼なじみの宮﨑大地(みやざき・だいち)くんです。

沖縄水産 宮﨑大地選手「小学校から(伊藤選手と)バッテリーを組んでいてずっと一緒にいたので一番の友達。(夏は)ちゃんとベンチに入って最後マウンドで投げたい。」

実力的にはレギュラーに差があるものの、それでも2人は今、最後の夏のベンチ入りを目指しています。

沖縄水産 伊藤飛由選手「(一緒に)来てくれたので、大地にもベンチに入って投げてほしいし、甲子園に絶対行きたい。」

コツコツ地道に練習に励む伊藤、宮﨑の姿に上原・國吉の2人のエースが触発されていました。

沖縄水産 國吉吹選手「自分が投げないと勝てないと思うので、頑張っていきたい。」

沖縄水産 上原一帆選手「やるべきことはやった方がいいと思うので、今からしっかり万全の状態でやって、最後はいい結果でみんなで笑って終われるようにしたい。」

おごるウサギはもういない。古豪復活、沖縄水産が全員野球で夏のてっぺんを駆け上る!

沖縄水産 真栄城徳二郎選手「相手に打ち勝つ感じで夏は勝ちたい。」

沖縄水産 桃原聖弥主将「自分たちの野球をして、最後は秋春と悔しい思いをしてきたので、夏はみんなで笑って甲子園に行きたいと思う。」

全員「甲子園行くぞ!」