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新垣勉さん「今でも強烈な印象が残っていますね。米軍が現場に立ち入り禁止区域を示すイエローテープを張って、日本人が現場に近づけないように米兵が警備をしている最中に、現場に駆け付けたんですけどね」

弁護士の新垣勉さん。アメリカ兵が起こした犯罪への損害賠償請求など、日米地位協定が関わる問題に40年以上携わってきました。

新垣勉さん「法的には基地外における事故、日本の法律の下で日本の警察が規制をし警備をし捜査する事故なんですよね。」

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日本の民間地で起きた事故にも関わらず、なぜアメリカ軍が現場を封鎖し、地元の警察すら立ち入ることができないのか。背景には1960年、新たな安保条約と共に結ばれた日米地位協定の存在があります。28ある条文のひとつを見てみると・・・。

(第17条)「合衆国軍隊は、使用する施設および区域において警察権を行なう権利を有する」

一見、アメリカ軍の権限は基地の中に限定されると取れる内容。しかし、実はそこには別のルールもあります。

(第17条に関する合意議事録)「日本国の当局は、所在地のいかんを問わず、合衆国軍隊の財産(=墜落機)について、捜索、差押えまたは検証を行なう権利を行使しない。」

これは、日米合同委員会という地位協定についての協議機関で決められたもの。話し合いは非公開で行われ、日米両政府が合意すれば、協定の本体とは異なるルールを決めることが可能になっているのです。

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新垣勉さん「日米合同委員会で提供区域、あるいは条件を自由に変えることができる仕組みになっているんですね。地位協定にはたくさん基本的に重要な問題がありますけれども、先ほど指摘した合同委員会の非公開、秘密性これがひとつですね。もうひとつは、基地外でも日本の主権の行使が妨げられる事態が起きているということ。これが沖国大にヘリが墜落した時に起きたひとつの事態なんですね」

国民の目に触れることなく姿を変え、基地の中でも外でもアメリカ軍の特権を支える日米地位協定。ヘリが落ちたあの日、私たちは、この協定が戦後そのままに日本を占領していることを突きつけられたのです。