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Qリポートです。きょうは沖縄の学生達の就活事情についてです。

新規学卒者の去年12月末時点での内定率は27.9%。例年3割前後の低い数字で推移する沖縄の学生達の就職活動の課題とはなんなのでしょうか。

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来春卒業を控えた学生達の就職活動が去年12月からスタート。真剣な表情で説明会に望む学生達ですが…。

今春卒業する県内の大学生の就職内定率は27.9%(去年12月末時点)。全国平均の71.9%(去年12月1日時点)を大きく下回る厳しい現状です。

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今年就活に挑む琉球大学3年生の比嘉雄太(ゆうた)さんと、崎原大地(たいち)さん。自分の強みをどう表現していいのか就職センターで相談中です。

比嘉さん「最初にいろいろ難しく考えたんですけど一言で言ったら行動力かなって思ったんですけど、でもそれってネットとかで調べたら鉄板すぎて」

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崎原さん「何をアピールすればいいのかなって言葉にすることが難しい」

自己分析に悩む2人。でも、まずはこの考えることが重要なんです。

沖縄キャリアセンターの志村センター長は、沖縄の学生の課題をこう語ります。

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志村正人センター長「背景には分析が弱い」「公務員試験が終わる大手が終わる、そしたら次のステップに進むはずなんですが、最初から“とりあえず”の思考が高いのでなかなか次のステップに行ききれない」

県内の傾向として、大手企業や公務員試験までは“とりあえず”受験するのですが、この試験に合格するのはほんの一握り。そして中小企業の採用試験が始まる頃動きが二極化します。

業界・企業研究をした学生が活動を続ける一方、それを先延ばしにした学生は、自分が何をしたいのかわからず、活動をストップさせてしまいます。

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去年9月までに沖縄の学生がエントリーした会社は、平均12社。全国平均では1月(15日)の時点で既に25.4社です。企業・業界研究の甘さが沖縄の大きな課題です。

この他、比較的求人数の多い「営業職」を志望する学生が少ないことや、保護者たちの県内企業志向というのも、内定率を引き下げる要因になっています。

漠然とした大手・県内志向を持つ学生達。中小企業にとっては採用したくても学生達が集まらないミスマッチが生じています。

志村正人センター長「どう(学生を)採っていいのか企業側にも大きな悩みがあるようです」

そんな中注目されているのがこちら…。

河合アナ「学生達の就活の新たな情報収集やコミュニケーションの1つのツールとなっているのがこのスマートフォンです。みなさんソー活という言葉ご存知でしょうか」

「ソー活」とはフェイスブックやツイッターなど、ソーシャルメディアを使った新しい採用活動のスタイル。ソー活を実施もしくは実施を検討している企業は4割近くに達しています。

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今年からこのソー活を取り入れている会社があります。

琉球光和 仲松さん「(Q.しょっちゅうコメントする子もいるんですか?)いますいます、だからなんとなく顔というか名前を覚えてきます」「今まで選考に入って顔と名前がしっかりわかるようになってたのが」「そういう意味では密にコンタクト取れるようになっているかなとは思います」

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学生には少しわかりにくい仕事内容を一コマ漫画で紹介したり、企業説明会の告知やその後の学生達とのコミュニケーション手段としてフェイスブックを活用しています。

若手社員を積極的に採用活動に参加させるなど、学生との接触に様々な工夫を凝らしてきた会社は今年の就職希望ランキング県内2位につけています。

琉球光和 秦社長「私たちもたくさんの学生と会いたいし、学生もたくさんの企業を見た中で私たちに向いてほしい、そうするとマッチングもよくなる」

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ソー活はあくまでコミュニケーションの一手段と語る秦社長。学生との対話の中で、優秀な人材というよりも会社に合う人材を探したいと言います。

琉球光和 秦社長「(若手社員には)きょうはこういう失敗をして折れたとか」「(学生に)なんでも話したらいいということでやってます」「学生も背伸びも必要だと思うけど3年後輝いているか楽しそうかなということを感じてもらって入る」「これは良い学生に来てもらうより何倍も大きなことだと思います」

内定を決めた学生たちもコミュニケーションを重視し内定を勝ち取りました。

奥浜夢乃さん、当初はキャビンアテンダントやグランドスタッフをめざしていましたが、12月医療器具メーカーへの就職を決めました。

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奥浜夢乃さん「大手の採用試験が全て終わったときにモチベーションは下がったんですよ。そのときに大学の先生たちがセミナーがあるといってくれて」「それに参加して中小企業、いままで見てなかった企業も見ていこうって思えて」

喜納秀次郎さん、去年の今頃は就職する意義を見出せずにいましたが3月、香港のスタディツアーで出会った県出身の経営者の言葉で気持ちに変化が生じました。

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喜納秀次郎さん「ボランティアしたいってことを胸を張っていったんです、まずは自分が食っていけるのかって言われて」「自分1人で食っていけて幸せになったときに人を幸せにしなさいっていわれたときに納得してその場で何も言えなかった」

そうして喜納さんは11月に旅行会社への就職を決めました。

喜納秀次郎さん「就活するまでは自分のことしか考えてなかったので沖縄のためとかって考えたこともなかったし」「人として成長できるのが就活であるのかなって」

さあ、琉大の比嘉さんたちもいよいよ就活本番。比嘉さんは来週から東京で2ヶ月間就職活動をすることを決めました。比嘉さんの今の目標は…

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比嘉さん「この仕事が自分のやりがいだって言い切れるようなそういう社会人になりたいです」