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6458件。この数字、実は、去年一年間、県警に寄せられた路上寝の通報件数です。お酒に酔って、ついつい路上で寝てしまうこの行為、今月には石垣市で死亡事故も発生しています。特に、離島に多いといわれる路上寝。QABではその実態を緊急取材しました。実近記者です。

実近記者「石垣市内の歓楽街にやってきました。時刻は午後10時を過ぎています。果たして路上寝をしている方はいるのでしょうか?」

住民「多いんじゃないですか。自分でもやったことありますんで、路上で寝泊り」

路上寝、現地緊急取材。私たちは離島の夜の街に潜入しました。

実近記者「えー、いました。いましたね。男性があそこで寝ています。」

歓楽街から一歩入った路地の脇で寝込む男性。

実近記者「あー、あぶない、道路に落ちてしまいました」

このままでは車にひかれてしまいます。

実近記者「ここで寝てたら危ないですよ…。路上寝の方を発見したので、えー、」

5分後、パトカーが到着。警察官に起こされ、男性はなんとか歩いて、夜の街に消えていきました。住宅街での路上寝の情報が、入りました。路地の脇、住宅の駐車場前で横になる男性。

住民「110番、電話したんだよ」

困り果てているのは、この家の住人。

住民「お願いだからさ。私の家の前なのに」

男性、ようやく起き上がり、家路につくかと思いましたが…。この男性、駆けつけた警察官に促され、その後も上機嫌で歩いていきました。

歓楽街のはずれ。路上寝の通報です。

警察官「お父さん、後ろに車があるんだよ。車庫前だよ」

この男性、駐車中の車のすぐ後ろで寝ていたのです。

警察官「道路に寝ていたらだめだからさ。道路交通法で許されていないわけ」

男性「なぜだめなの?道路交通法にそんな条文なんかないさ」

道路交通法76条で、路上寝は立派な道路交通法違反となります。男性には、警告書が渡されることになりました。

去年、県警に寄せられた路上寝の通報は6458件に上りました。今月15日には、石垣市で路上寝をしていたと見られる男性がタクシーにひかれて死亡するなど、人口比で見ると、八重山署と宮古島署がワーストとなっています。

実近記者「宮古島市にやってきました。今日は年に一度の夏祭りということで、飲むお酒の量もちょっと増えそうです」

実近記者「いました、こちら。路上寝している男性を発見しました。男性が横になっているんですが、パンツまで脱いでしまっています。とても危険な状態です。足を路上に投げ出しています」

一体この男性に、何があったのでしょうか。男性は、かなり酒を飲んでいる様子。

警察官「家は近いの?分からない?ここどこか分かる?」

結局、警察官が付き添って家路に向かわせました。路上寝の通報です。なんと道路の真ん中で寝ていた男性が、警察官に起こされています。額からは血を流しています。

警察官「けんかとかは、してないよね。自分で転んで怪我した?」

警察官「来た当初、驚いているんですけども。夏、ちょっと暑くなってから、やっぱり増えている状況ですね。通報があると、事件・事故に巻き込まれる可能性があるもんですから、なるべく早く現場に来るように心がけてやってます」

実近記者「いた!」

カメラマン「見えない、見えない」

車の助手席からは、全く見えない路地の曲がり角。この映像で路上寝している男性が、どこにいるか分かるでしょうか?男性は電信柱の下で寝ています。

実近記者「こちら、男性が路上で寝ています。手が道路の方に出て、たいへん危険な状態です。」

いつ車にひかれてもおかしくない状態。男性は、偶然通りかかった知人に起こされ、家路につきました。

実近記者「いましたねー」

男性が眠るすぐ横を、車が通っていきます。

実近記者「ここで寝てると車にひかれちゃいますよ」

男性「ありがと、うん、はい、おやすみー」

一向に起きる気配のない男性。

実近記者「痛くない?こんな硬いところで寝て。熱くない?」

警察官に起こされ、男性は無事にタクシーに乗りました。

住民「本人はそのつもりはなくて寝てると思うんで、回りが気をつけないと」

果たして人は、なぜ路上で寝てしまうのでしょうか?この時期の日中、路上の表面温度は60度を超えます。しかし…。

実近記者「現在、時刻は午前3時を過ぎました。路面の温度は、32.7度と、だいぶ低くなりました」

実際に横になってみると…。

実近記者「決して、ひんやりしているわけではありません。ただ、このほのかな暖かさが、正直ちょっと気持ちいいといった感じです。まるで岩盤浴をしているような、そんな感じです。」

ちなみに、岩盤浴の表面温度は40度前後。しかし、路上寝の怖さは交通事故だけではありません。

県警本部安全なまちづくり推進課・西里博明調査官「寝込んだ人をターゲットにして財布などを盗む、仮睡者狙いにあう恐れも高くなります」

様々な危険とまさに隣り合わせの路上寝。今一度、お酒との付き合い方を考える必要がありそうです。

今日から始まった夏の交通安全運動のスローガンでも飲酒運転の撲滅をうたっていますが、「飲んだら、寝るな」ということも、訴える必要があるんでしょうか。いろんな面で、お酒の飲み方を考える必要がありそうです。