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国が辺野古事前調査に着手

News Photo

嶺井カメラマン「時刻は9時22分です。ウェットスーツに身を包んだ2人の作業員が海の中に入っていきました」

那覇防衛施設局がきょう着手した調査は、法律で義務付けられている環境アセスメントの前に国が独自に行うもの。けさ、調査船から作業員が海に入り、海底のサンゴの状態などを確認した。

厳戒態勢の中で身動きが取れない市民団体のカヌーは、ダイバーが潜るポイントに先回りして基地建設につながる調査への反対を訴えた。

嶺井カメラマン「たくさんの警戒船とゴムボートが、反対派を阻止するように調査船を取り囲んでいます」

岸本記者「基地建設に反対する市民団体のカヌーが調査船に近づこうとしていますが、海上保安庁の船と警戒船に行く手を塞がれています」

潜水士が目視による調査をしている最中に天候が急激に悪化。本島北部に大雨洪水・雷注意報も出され、反対派のカヌーは陸に戻る。しかし施設局の調査は午後も続けられた。

県は施設局に対し、今週中に事前調査での海域の使用に同意すると見られ、これを受けて施設局はこの海域の生態系を調べるカメラなどを海底に設置し、本格的な調査に入る方針だ。

“返還発表”から“2本の滑走路”まで

そもそも辺野古への基地建設が持ち上がったのは11年前でした。

橋本総理「普天間飛行場は5年ないし7年以内に、これから言う措置の後に全面返還されます」

前の年、幼い少女が犠牲になった暴行事件を受けて基地問題を見直さざるを得なくなった日米両政府は、世界でもっとも危険とも言われる普天間基地の返還を約束。しかし、東海岸に移設するという条件がついたため、名護市では反対運動が激化。住民投票では基地に反対する意見が大勢を占めた。

ところが、基地を容認する県知事が当選し、名護市長も受け入れを表明。そして2004年4月、国は基地建設のためのボーリング調査に着手。この日から辺野古の住民をはじめ基地に反対する人々の座り込みが始まった。さらに9月には、国の大船団が辺野古海域に乗り込んだ。

岸本記者「辺野古上空です。あの青い大きな船が防衛施設局の船です」

海には4つの大きなやぐらが立ち、ここから海の上に座り込んでの反対運動がおよそ一年続いた。

実近記者「やぐらでは作業を進めようとする職員と止めようとする市民が衝突し、非常に危険な状態になっています」

しかし、なかなか進まない基地建設に、見直し論も浮上。台風の襲来を理由に2005年9月、やぐらも撤去された。

ところが、アメリカ軍の再編で、またキャンプシュワブ沿岸に別の計画案が示され、2006年4月、島袋名護市長と額賀防衛庁長官が2本の滑走路を持つ基地計画に合意。5月2日、アメリカ軍再編最終報告に集約された。

当時の稲嶺知事は「今の案でなければ県外移設」と態度を硬化させていたものの、3年以内の普天間閉鎖を公約に県内移設を認める仲井真知事の誕生で、国との協議が再びスタートした。

そして防衛庁は、新たな案の「環境アセス」の手続きを進める一方、県の同意を先送りにして「独自の環境調査」に入ることを決めた。

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嶺井カメラマン「時刻は9時22分です。ウェットスーツに身を包んだ2人の作業員が海の中に入っていきました」

那覇防衛施設局がきょう着手した調査は、法律で義務付けられている環境アセスメントの前に国が独自に行うもの。けさ、調査船から作業員が海に入り、海底のサンゴの状態などを確認した。

厳戒態勢の中で身動きが取れない市民団体のカヌーは、ダイバーが潜るポイントに先回りして基地建設につながる調査への反対を訴えた。

嶺井カメラマン「たくさんの警戒船とゴムボートが、反対派を阻止するように調査船を取り囲んでいます」

岸本記者「基地建設に反対する市民団体のカヌーが調査船に近づこうとしていますが、海上保安庁の船と警戒船に行く手を塞がれています」

潜水士が目視による調査をしている最中に天候が急激に悪化。本島北部に大雨洪水・雷注意報も出され、反対派のカヌーは陸に戻る。しかし施設局の調査は午後も続けられた。

県は施設局に対し、今週中に事前調査での海域の使用に同意すると見られ、これを受けて施設局はこの海域の生態系を調べるカメラなどを海底に設置し、本格的な調査に入る方針だ。

“返還発表”から“2本の滑走路”まで

そもそも辺野古への基地建設が持ち上がったのは11年前でした。

橋本総理「普天間飛行場は5年ないし7年以内に、これから言う措置の後に全面返還されます」

前の年、幼い少女が犠牲になった暴行事件を受けて基地問題を見直さざるを得なくなった日米両政府は、世界でもっとも危険とも言われる普天間基地の返還を約束。しかし、東海岸に移設するという条件がついたため、名護市では反対運動が激化。住民投票では基地に反対する意見が大勢を占めた。

ところが、基地を容認する県知事が当選し、名護市長も受け入れを表明。そして2004年4月、国は基地建設のためのボーリング調査に着手。この日から辺野古の住民をはじめ基地に反対する人々の座り込みが始まった。さらに9月には、国の大船団が辺野古海域に乗り込んだ。

岸本記者「辺野古上空です。あの青い大きな船が防衛施設局の船です」

海には4つの大きなやぐらが立ち、ここから海の上に座り込んでの反対運動がおよそ一年続いた。

実近記者「やぐらでは作業を進めようとする職員と止めようとする市民が衝突し、非常に危険な状態になっています」

しかし、なかなか進まない基地建設に、見直し論も浮上。台風の襲来を理由に2005年9月、やぐらも撤去された。

ところが、アメリカ軍の再編で、またキャンプシュワブ沿岸に別の計画案が示され、2006年4月、島袋名護市長と額賀防衛庁長官が2本の滑走路を持つ基地計画に合意。5月2日、アメリカ軍再編最終報告に集約された。

当時の稲嶺知事は「今の案でなければ県外移設」と態度を硬化させていたものの、3年以内の普天間閉鎖を公約に県内移設を認める仲井真知事の誕生で、国との協議が再びスタートした。

そして防衛庁は、新たな案の「環境アセス」の手続きを進める一方、県の同意を先送りにして「独自の環境調査」に入ることを決めた。

普天間基地・辺野古移設 県が事前調査に合意

岸本記者です。仲井真知事はつい先ほど、この施設局の事前調査に同意したということですよね?

岸本記者「午後5時反頃に急にマスコミに連絡が流れ、つい30分ほど前に辺野古での事前調査に正式に合意しました」

施設局の調査も県の合意もとても急な感じですが、どうしてこんなに基地建設にむけた調査を急ぐんでしょうか?

岸本記者「仲井真知事は、実はきょうの午後上京して、あす防衛省の久間大臣と会談する予定です。そこで話し合うのが、辺野古に出来る新しい基地の滑走路の具体的な位置です。というのも、県はこれまで日米政府が合意したV字計画には名護市とともに滑走路の位置の修正を求めていた。そこで、金曜日に安倍総理が訪米する前に、久間大臣と仲井真知事の間で『落としどころ』を探ろうということのようです」

その「落としどころ」というのは何なんでしょうか?

岸本記者「どうやら、滑走路の位置を名護市が求めていたように沖合いに100メートル程度ずらす。また、仲井真知事がずっと言っていた普天間の危険性の除去についても、政府側から何らかの具体策といいますか、提案のようなものが示されるのではないかともいわれています」

久間大臣との会談や安倍総理の訪米まですべて日程が決まっていたから、防衛施設局はどんな形でもいいから調査に入ったという実績をまずは作りたかったということでしょうか?

岸本記者「そうですね。施設局がきょう海上保安庁と組んで20隻以上の船を出し、これまでないくらいの規模で調査を実施したのは、まずは基地建設に向けた動きに入ったということをアメリカにも伝えたいということがまずあると思います。そして、施設局としてはサンゴの産卵が始まる6月までに調査を間に合わせたいという考えもあったと思います。いずれにしろ、補欠選挙も終わりましたら、政府にとっては基地建設に向けた調査に対する県民の感情を選挙前ほど意識する必要はなくなっています。今後、この事前調査から環境アセス、そして工事へと向けた動きがエスカレートすることは間違いないと思います」