※ 著作権や肖像権などの都合により、全体または一部を配信できない場合があります。
News Photo

事業計画から起工式まで30年の年月を費やしました。新石垣空港建設事業で、県はきょう、予定地のカラ岳東で起工式を行いました。

安全祈願祭は地元の神司による地鎮祭で始まり、稲嶺知事や大浜石垣市長ら関係者が工事の安全を祈願。起工式で稲嶺知事は「新空港は八重山地域の振興発展につながる」と期待を寄せました。

大浜長照石垣市長「ここまで来れて感慨深い。感無量とはこんなものでしょう。ここに至るまでご苦労された方々にきょうは一緒に喜んでもらいたい」

新空港はカラ岳東に142ヘクタールを造成し、中型ジェット機の就航が可能な2000メートルの滑走路の空港となります。

その一方で、空港建設に反対する共有地主の同意取付や、自然環境の保全を求める自然保護団体への対応も残っています。

WWWFJサンゴ礁保全研究センター・前川聡さん「環境の負荷がかかった場合、大打撃を受けてしまう可能性がある。工事に際しては細心の注意を、環境に対して配慮を払ってほしい」

新空港は今年度内に着工し、7年後の2013年3月に供用開始されます。

この新空港の建設を巡っては常についてまわったのが開発か自然保護かです。知事が変わるたびに建設場所が二転三転したこれまでの経過を振り返ります。

現在の石垣空港の滑走路は1500メートル。1977年以降、乗降客数、貨物量ともに増え続け、ジェット化空港の整備計画がスタートしました。

1979年、当時の西銘県政は白保海上を埋め立てる計画を発表。しかし貴重なアオサンゴ群落、それに世界的な自然保護運動の高まりで断念に追い込まれました。

その後、大田県政は1992年に宮良牧中を選定。しかし、これも農地が潰されるとして激しい反対運動に遭いました。

8年前に誕生した稲嶺県政。建設候補地の決定については地元主導とさせ、議論の末、カラ岳東に最終決定しました。

しかし自然保護団体は赤土汚染対策や貴重な動植物の保護対策が不十分だとして、県に対し、環境保全を訴えています。

7年後には八重山住民の念願であった新空港が完成することになります。新空港建設の最大の要因は石垣島の自然を求めて多くの人が訪れているからで、自然が破壊されて空港が完成する事態だけは避けなければなりません。