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11月の知事選に向け、与野党の人選作業が大詰めを迎えています。自公態勢の県政の継続を目指す与党の人選は数人に絞られてきました。しかし選考委員会の委員にもそれぞれ思惑があり、まだすんなりとはいきそうもありません。

稲嶺恵一知事「県民に対して掲げた公約のそのすべてについて実現ないし着手することができ、21世紀の沖縄が力強くスタートできるレールを敷くことができました」「熟慮を重ねた結果、11月の知事選挙には出馬しないことを決意しました」

6月29日、県議会の本会議場。稲嶺知事は与党議員の代表質問に対し、今期限りで知事を勇退することを表明しました。

知事の勇退発言を受け、与党自民党は後任人選作業に着手。与党を構成する公明党や県民の会のほか、経済界の各種団体を網羅した候補者選考委員会を設置。さらに、知念栄治県経営者協会長を座長とする幹事会で、13人に絞り込みました。

知念栄治・与党選考委員会幹事会座長「どなたが最も相応しいか、あるいは選挙で勝てる可能性が高いのは誰か。いろいろ意見を聞いてきたわけですが、それがまだ完全に一本化するまでには至っていないと」

その中で出馬に意欲を見せているのが副知事の嘉数昇明さんと、沖縄電力会長の仲井真弘多さんです。

嘉数昇明副知事「知事をはじめ、関係者のみなさんと相談しながら表明したい」

嘉数さんには前々回の那覇市長選挙の際、翁長市長と最後まで争い、最終的に立候補を断念した苦い経験があります。今回は政治家として、稲嶺県政を支える副知事として、一歩も引かない構えです。

仲井真弘多沖縄電力会長「経済振興は我々自身の仕事でもある。そこを重点にする人を選ぶ必要がある」

一方の仲井真さんは通産官僚、副知事、沖縄電力会長、そして経済界のまとめ役としての実績が高く評価され、経済界を中心に仲井真さんを推す声が強く、自身も強い意欲を示しています。

その一方で、待望論の強い衆議院議員の西銘恒三郎さんは、国政に専念したいとの意志が固く、関係者は西銘さんの出馬の可能性は低くなったとみています。

一連の人選作業に、自民党内には学者出身の知事、経済界出身の知事が続いたこともあって、反発もあります。

新垣哲司・自民党県連幹事長「やはり政治は政治(家)主導でやらなくてはいけない。やはり最後は政治家が断を下す。しっかりしたものを聞いて示すという、そういうことにならないといけない」

これに対して経済界出身の知念座長は、こうけん制します。

知念栄治・与党選考委員会幹事会座長「多数決で決めるというわけにはいかない。できれば全会一致で候補者を絞り込んで決めることが一番望ましい。そのために意見調整もしながらここまで時間をかけてきた」

選考委員会の幹事会はあす、1か月ぶりに開かれます。あすで一人に絞り込めるのか、それとも来週にずれ込むのか、与党の人選作業は微妙な情勢です。

与党の人選のほうもほぼ2人に絞られたかに見えますが、あすの幹事会が最大の山場といえそうです。一方、先ほど中継でお伝えした野党の人選作業は今も続いていて、こちらも動向が注目されています。