2018年8月31日 18時31分

辺野古 県が承認撤回

辺野古の新基地建設をめぐり、県は31日、埋め立て承認を「撤回」しました。

辺野古 県が承認撤回

謝花副知事は「辺野古に新基地は造らせないという翁長知事の強く、熱い思いをしっかりと受け止めた上で埋立承認の取消処分の権限を有する者として公有水面埋立法に基づき適正に判断したものであります」と話していました。

辺野古の新基地建設を巡る「埋め立て承認」の撤回について、県は環境保全の対策が十分でないまま、国が工事を進めたことや行政指導を重ねても是正せず、違法な状態は、放置できないためと説明しました。

辺野古 県が承認撤回

連日の抗議が続くキャンプシュワブのゲート前では「基地を止める決定打になるかわからないですけど。辺野古を止めるための一歩に踏み出してもらったことにはすごく感謝している」「もっと早くやってもらいたかった、翁長さんが元気な時にね」と話していました。

県が「撤回」したことによって、工事はできなくなることから、国は、法的対抗策をとるとみられています。

県と国の対立は、再び司法の場に持ち込まれ、新たな局面を迎えることになります。

ここからは記者解説でお伝えします。久田さん、翁長知事がいつ撤回に踏み切るかという矢先に亡くなり、どうなるのか注目されていましたが、ついに撤回に踏み切りましたね。

久田記者「はい、翁長知事は病状が悪化した今月のはじめに、撤回の最終決定を謝花副知事に託していたということなんです。副知事によって県民との約束が果たされるかたちとなりました」

では、県はどんな理由で埋め立て承認を「撤回」することになったのか、問題を見ていきましょう。

久田記者「はい、ポイントをみていきます。まず軟弱地盤の問題。これは県が撤回理由の筆頭に挙げています。先月もお伝えしたことのおさらいですがこちらをご覧ください。軟弱地盤が指摘されているのはこのあたりの海底です。

辺野古 県が承認撤回

久田記者「どれくらい柔らかい地盤かというと、地質調査に用いるハンマー(重さ63.5kg)を撃ち込まなくても、海底に置いただけで、30cmも沈み込んでしまう。ハンマーの自重で沈み込んでしまうほど柔らかい地盤だということなんです」

当初予想されていなかった問題だったんですよね。

久田記者「はい、埋め立てを承認した際には分からなかった問題ですので、大幅な設計変更が避けられないというのが県の主張です。そのまま工事を進めるのは認められない。というのが撤回の理由のひとつになっています」

ところで久田さん、2年前に県は、埋め立て承認の「取り消し」を行い、敗訴していますよね。今回の「撤回」とはどう違うんでしょうか。

辺野古 県が承認撤回

久田記者「はい、端的に言えば「取り消し」は、県側が、自分たちの承認審査の過程が誤っていた場合に行うものです。撤回」というのは、新基地建設計画が進んでいく過程で明らかになった問題を理由にしています。先ほどの軟弱地盤の問題も、今年になって明らかになりました」

辺野古 県が承認撤回

久田記者「他にも、まだ問題はあります。新基地は、滑走路を建設する際のアメリカの安全基準を満たしていないことがわかりました。滑走路周辺2286メートルの範囲には、海抜54.5メートル以上の高いものがあってはならないとされています。ところが、辺野古では、それ以上の高さに、住宅や学校があるんです。こういうことが幾つも重なっての埋め立て承認「撤回」で、一度敗訴が確定した争いを蒸し返しているということではない、というのが県の主張ですね。一方の国は撤回が決まったことについて次のように反応しています」

辺野古 県が承認撤回

小野寺防衛大臣「普天間飛行場の危険除去に向けて沖縄や政府の関係者が努力を重ねてきたことを踏まえれば、今日の撤回は非常に残念です」

普天間基地の閉鎖撤去に悪影響が出ることを懸念しているんですね。

久田記者「はい、ところが去年の防衛大臣はこのような発言をしています」

辺野古 県が承認撤回

稲田防衛大臣(当時)「米側との具体的な協議、またその内容の調整が整わない、このようなことがあれば、返還条件が整わず、返還がなされないということになりますけれども…」

久田記者「アメリカは、辺野古の新基地は完成したとしても滑走路が短いという欠陥があるとして、民間施設の使用条件の改善を求めています。暗に、アメリカ軍が那覇空港を使用することも認めなければ、普天間基地は返還されないということなんです」

県側は絶対に認められないとしていますから、新基地が完成しても普天間基地が残り続ける可能性はある、ということなんですよね。

辺野古 県が承認撤回

さて、こうした様々な論点を浮き彫りにした埋め立て承認の「撤回」。今後は、知事選への影響はというところに注目が移っていきます。専門家に話を聞きました。

江上能義早稲田大学名誉教授「承認の撤回というのは、タイミング的に知事選が近いので、知事選とリンクするようになったということ。自分がやった決断を県民の選択にバトンタッチするという形が、知事の決意だったということでしょうね。それはある意味劇的。」

撤回を県民が支持するのかしないのか、歴史の転換点となる知事選挙になりそうですね。以上久田記者でした。

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