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蓋の部分に様々な絵が描かれているマンホールは今は国内の至る所で見られますが、そのデザインマンホール、実は沖縄が発祥の地なんです。

冬場でも工場内の気温が30度近い西原町の沖縄鋳鉄工業。今から30年程前、魚をデザインした那覇市のマンホールを初めて生みだした会社です。

マンホールは県内の建築現場などから集めた鉄くずを電気炉で溶かします。炉の温度は1500度。

この溶けた鉄が形を変え、マンホールになる訳ですが、このマンホールに初めて様々な模様を描いたのが神山寛盛さん。

神山さんがこれまでデザインした蓋の模様は200種類以上に上り、2003年には厚生労働省から現代の名工にも選ばれました。

神山さん「直線ですね。のこ幅が小さいもんだから、ちょっとのずれでも曲がっていくんです。この汚水とか雨(という字)があるでしょう。この角度を切るのが大変ですよね」

真っ赤に溶けた鉄が神山さんがデザインした鋳型に注ぎ込まれ、ゆっくりと冷やされていきます。その後、側面の仕上げと塗装を終えてマンホールは完成。

一日8トンの鉄を使って作られるマンホールは60組。値段は定価が7万5000円です。

神山さん「県内でもスクラップはかなり発生する。それをそのままスクラップとして出すのではなく、10倍くらいの付加価値をつけられる。リサイクルの一環として、かなり有効でないかと考えています」

沖縄の文化や風習を伝え、今や芸術の域にまで達した県産のマンホール。皆さんも普段よく通る道で、足元をじっくり見てみてはいかがでしょうか?