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宜野湾市の伊波市長は来月、アメリカを訪れて普天間飛行場の危険性の除去を求める要請行動を展開する予定でした。しかし、きのうの市議会ではその「市長の訪米」に関する補正予算案が否決。市長は訪米を断念することになりました。

アメリカ軍再編の最終報告が出てしまった後の市長の訪米には市民の間にも様々な意見があったようです。岸本記者の報告です。

岸本記者「伊波市長の訪米が議会で否決された背景には、その費用や実現可能性などの点で様々な問題点が指摘され、議論された結果でした」

2008年までに普天間基地を返還することを公約に当選した伊波市長は、初当選の翌年アメリカを訪問。普天間の早期返還とヘリの騒音低減を訴えました。

この訪米にかかった経費は870万円。市長はその翌年も訪米を計画しますが、市議会は「財政が逼迫するなか、市民の理解が得られない」と訪米予算を削除。市長は一部の市民からの寄付金で訪米しました。

そして今回、訪米予算を550万円に減らして3度目の訪米を計画した伊波市長ですが、議会は再びこの予算を認めなかったのです。

前川市議「実現可能な2008年基地返還までの行動をおこすべき。市長が要請してひっくり返ることではないからそのお金は無駄ではないか」

桃原市議「外交は国の専権事項かもしれない。しかし、ここの痛みを政府はわかっているのか。沖縄のことを知ってもらう過程の一歩なのです。今回の訪米も」

伊波市長の訪米については宜野湾市民の間でも意見は割れています。

市民「行かなくてもいいのではないか。行っても変わらない。市長が行って状況を変えられるとは思わない」

市民「伊波市長が就任してから宜野湾市は変わったと思う。普天間基地を早く返還してほしいので訪米してほしい」

伊波市長は今回の訪米断念についてこのようなコメントを発表しています。

伊波市長「今回、市議会の同意を得られなかったことは大変残念ですが、今後もアメリカ国内での基地運用基準と普天間飛行場での運用実態の違いを明確にし、早期に普天間飛行場を返還できるよう取り組んでまいります」

伊波市長は、ことし9月の市議選後の議会で訪米を再提案し年明けににも訪米する意向を示しています。