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冬から春にかけて繁殖や子育てのために南西諸島の周辺を回遊するザトウクジラの保全と持続可能な観光の両立について考えるシンポジウムが那覇市で開かれました。
沖縄美ら島財団が開いた「沖縄ザトウクジラシンポジウム」には、国内外の専門家など7人が登壇しました。
このうち、クジラの研究をしているグリフィス大学研究員のステファニー・スタックさんは、沖縄近海での調査や世界の最新の研究からザトウクジラの生態をはじめホエールウォッチングやスイムツアーが与える影響を報告しました。
調査によるとスイムツアー時のザトウクジラの行動を見ると、休息時間が減ったり、泳ぐスピードや方向が少し変わるなど人や船との距離でクジラの行動に影響していることが分かったということです。
そのうえで、船や人が近づくことは、「特に授乳中の親クジラにストレスを与えている」と強調し、親子クジラの観察は30分以内に留めるなどザトウクジラが子育てしやすい環境を作るための主要な配慮を提案しました。
ステファニー・スタックさんは「The last thing I want to say. Protecting the resting mothers protects the future generation of whales. And that’s where our priority should be.」
(「訳:最後に私がみなさんに伝えたいメッセージ。休息中のお母さんクジラを充足させること守ることは、次の世代のクジラを守ることにつながると思います」)と話しました。
参加者は、真剣に耳を傾けクジラの生息環境の保全について考えている様子でした。
