ここからはリュウキュウの貴重な動植物を紹介するリュウキュウの自然です。案内は動物写真家の湊和雄さんです。
湊和雄さん「よろしくお願いします」
きょうのテーマはこちらです「土下座!?その理由(わけ)は?」何やらおもしろそうなテーマですね!
湊和雄さん「そうですね、春は恋の季節と言いますが、今回はナナホシキンカメムシの恋の行方を紹介しましょう。男性の皆さん、身につまされるシーンがたくさん登場しますよ」
男性のみなさん、必見ですよ!それではVTRをご覧ください。
湊和雄さん「今回の主役・ナナホシキンカメムシです。まずは土下座シーンを3回連続でご覧いただきましょう!本当に頭(鼻先)を地面?床?に擦り付けていますね。この土下座しているのは雄、されているのは雌です」

本当に土下座しているように見えますね。
湊和雄さん「このナナホシキンカメムシが土下座するポーズは雄の雌に対する求愛行動ではないかといわれています」
なるほど、人間の世界にも共通しそうですね!
湊和雄さん「実に健気な土下座ポーズですが、これもなかなか簡単にはさせてくれません。土下座をさせて貰えるのは、雌と正面で向き合ったときだけなのです。しかし、雄は雌を見つけて追いかけても、雌は逃げるばかりでなかなか向き合うことが出来ないのです」
雌の逃げ足も速いですね、この雄のこと嫌いなのかな?
湊和雄さん「そうかもしれませんね、雌が立ち止まってくれると、雄は盛んに触角を震わせて雌にシグナルを送ります。しかし、雌はほとんど反応してくれませんねぇ」
たぶん、何かが足りないんですよ!それかやたら理想が高い!どちらかだと思います!

湊和雄さん「無視されるだけならまだしも、このように雌の後脚で接近を拒まれることさえもあります。『あっちに行って!』という雌の声が聞こえてきそうです。正に『足蹴にされる』状態ですね・・・」
無視されても、蹴られても、健気にアピールするってなんだかかわいそうになってきました。
湊和雄さん「さらに、雌が向き直ってくれても、雌の優勢です。雄ににじり寄って雄は後退りするばかりです。そして、崖っぷちまで追いやられた雄は必死に土下座します。さらに土下座ポーズの雄に対して雌は、それまでの触角だけではなく針状の口でも雄の体に触れます」
雄の品定めをしているのでしょうか?年収とか学歴とか??それともイケメンとか?
湊和雄さん「どうでしょうね?人間の土下座は床に座った状態で行いますね?しかし、彼らの場合は葉の裏でも行います。もちろん上下(天地)逆さま。これではちょっと土下座に見えませんね」
つらそうな態勢の土下座?ですね!

湊和雄さん「これらはどれも求愛行動のワンシーンなのですが、結局交尾には至りませんでした。そして謎の行動もありました。雄がたまに翅を開くのです。」
これは何でしょうか?フェロモンなどを放出しているのでしょうか?
湊和雄さん「16倍スロー映像での同じシーンです。結構しっかり羽ばたいていますね」
「もうどうしてわかってくれないの~」って感じなんですかね?
湊和雄さん「いかがでしたでしょうか?ナナホシキンカメムシの求愛行動、実はこの求愛シーンに出会うことも稀で、この25年間で5回だけです。しかし、何れも交尾まで辿り着けていません。今回は、同じ場所で2回連続、5時間も観察したのですが願い叶わずでした」
たぶん人間と一緒で他人に見られていると恥ずかしいんだと思います。
湊和雄さん「そうかもしれませんね、でもいつかは撮影したいと思います!」
撮影できるといいですね!期待しています。今回も貴重な映像をありがとうございました!リュウキュウの自然でした!