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これから暑くなる季節を迎え、車社会と呼ばれる沖縄で注意しなければいけないことがあります。命に及ぶ場合もある危険な「車内熱中症」についてリポートします。

Qプラスリポート 車内熱中症の危険

「買い物でちょっと離れるだけだから大丈夫」このような理由で子どもを車の中に放置してはいないでしょうか。

子どもを車内に放置した経験あり「あります。私がトイレというときは、(子どもが)眠っているのを確認して、コンビニトイレというのはありました」

子どもを車内に放置した経験なし「(子どもが)寝てたらちょっとは考えるかもしれないです。(子どもを)起こしてまた連れて帰って(チャイルドシートに)またはめてというのが結構大変」

松岡孝医師「車の中ですと、夏場、特に6月,7月,8月になると、30分もエンジンを停止してしまうと、容易に40度を超えるというデータもある。車内にお子さんを置いておくというのは危険」

「夏」と「車」。この2つが組み合わさったときに悲惨な事故が起こり得る環境が出来上がるのです。それは…車内熱中症。

Qプラスリポート 車内熱中症の危険

事態は深刻です。こちらは全国のパチンコ店の駐車場で車の中に放置された子どもの人数。その数は年々増加し、2014年度からの5年間で359人、このうち県内では21人が車に取り残されました。熱中症の疑いで3人が死亡。1人は県内の赤ちゃんでした。

5年前、那覇市内のパチンコ店の駐車場に母親がスロットをするため、生後5カ月の男の子を6時間以上にもわたり車内に放置し、男の子は熱中症で死亡。当時、市内の最高気温は30度近くにも上っていたのです。

こども医療センター・松岡孝医師「子どもは体格がどうしても小さいので、少しの水分が逃げただけで脱水になりやすい。大人と比較すると熱中症になりやすいというような状況があります」

密閉された車内の温度はどのように変化するのか。そして取り残された人はどのように暑さを感じるのか。QABでは日本自動車連盟・JAFの指導の下、実験を行いました。

先週水曜日午後1時半。この時間の天気は晴れ。気温は24.6度。

金城圭吾記者「現在の車内の温度は32.2度を示しています。それでは実験を始めます」

金城圭吾記者「実験開始から3分が経ちました。温度はまだそこまであがっていません」

松岡孝医師「気温だけで熱中症になりやすいというのはなかなか言えなくて、環境省なども『暑さ指数』(熱中症予防の指標)というのを出していたりします。その暑さ指数で言うと28度、一般的な気温で言うと31度を超えると救急受診数が増えてくる」

Qプラスリポート 車内熱中症の危険

暑さ指数とは気温だけでなく、湿度なども含めた熱中予防の指標のことです。湿度が高いと人は汗をかきにくくなり、熱が身体の中にこもってしまいます。

高温多湿な沖縄は県外に比べ暑さ指数が高くなり、熱中症になりやすい環境なのです。

金城圭吾記者「さらに3分が経ち、車内温度は36度を超えています。少しづつ背中に汗をかき始めました」

松岡孝医師「暑さ指数で31度、外気温で35度になってくると重症例が増えてくるというデータはあります」

JAF沖縄支部・新里稔さん「外のほうは風があって涼しく感じますが、車内のほうは密閉されていますので、より一層気温が高く感じると思います」

降り注ぐ日差しで車内の温度は上昇を続け、15分で40度を超えました。高い温度と湿度で、車内はまるで岩盤浴。全身から汗が吹き出し始めました。

Qプラスリポート 車内熱中症の危険

金城圭吾記者「実験開始から30分が経ち、車内温度は45度を超えました。少しづつ頭がふらふらしてきました」

この気温計が計れるのは50度までで、計測不能となってしまいました。50度以上のうだるような暑さの中で1時間を迎えましたが…。

金城圭吾記者「もう限界でした」

またJAFが実施した同様の実験では、ダッシュボードの温度が1時間ほどで70度近くにまで達し、クレヨンは溶け、フライパンで目玉焼きが焼けました。

見かけ以上の危険性をはらむ車内熱中症。県内では去年1年間で、子どもを車の中に閉じ込めてしまったというJAFへのレスキューの依頼が77件ありました。平均すると月に6件から7件ほどになります。

Qプラスリポート 車内熱中症の危険

JAF沖縄支部・新里稔さん「(Q:対処法は?)まずJAFにお電話していただくと、JAFが出動いたしますので、到着の間に、もしできるならブルーシートで日陰を作ってあげる、あるいはホースで車体を濡らして、車内の温度を下げていただくということをお願いいたします」

梅雨が明けるといよいよ本格的な夏の到来。公共交通機関が十分に整備されていない県内において、車は欠かすことのできない移動手段です。しかし…「買い物でちょっと離れるだけだから大丈夫」。あなたは、このような理由で子どもを車の中に放置してはいないでしょうか。

ここからは取材した金城記者です。車内の温度が50度以上、そしてダッシュボードの表面温度は70度にもなり、目玉焼きが焼けるのは衝撃でしたよね。改めて実験してみての体感はいかがでしたか?

金城圭吾記者「ものすごい蒸し暑さでした。大人の私でも1時間が精一杯でした。小児科医の先生もおっしゃてましたが、子どもは大人に比べて体格が小さいことから脱水、ひいては熱中症になりやすいので、あのような密閉された空間に子どもを残してしまうのは想像するだけで怖くなります」

もちろん車内に残したまま離れるのはもっての他ですが、実際の事例や対策はどうなっているのでしょうか?

金城圭吾記者「VTRで紹介したパチンコ店での事件は保護者のモラルに低さによって生じたものでした。ですが、そのほかにも、眠っていて起こすのがかわいそうという理由や、ちょっとした時間だからといって、クーラーを入れ子どもを残したまま車を離れる保護者も多いということです。しかし、オーバーヒートしエンジンが止まってしまった例もあるので、クーラーを入れているといって安心はできません」

小さな油断が悲惨な事故を招きかねませんから、子どもから目を離さないよう徹底してほしいです。金城記者でした。