もっとドキドキQAB


QABでは、首里城正殿復元工事の現場を定期的に訪れ、定点撮影を実施しています。
在りし日の姿を取り戻そうと日々歩みを進める正殿の変化を間近でご覧ください。
▽東のアザナ・工事現場入口 2023年1月~
▽素屋根(1~3階)2023年8月~(更新不定期)
今回は、現場最年少のうちなーんちゅ宮大工・後藤亜和さんに密着しました。
亜和さんを初めて取材したのは、令和の復元が本格化した2023年秋。その頃は言葉を選ぶようにゆっくり話していた姿が印象的でした。それから2年。福井での作業場で見せてくれたのは、自信を持って機械を扱い、仲間と笑顔で会話する亜和さんでした。
「母の存在が支えになっている」「沖縄と同じ海を見ていると思うと、寂しさが消える」
その一言一言には、遠く離れた地で懸命に挑む若手宮大工の素直な思いが込められていました。さらに印象的だったのは、亜和さんが語った将来の目標です。女性の大工はまだ少なく、出産や育児などライフステージの変化で現場を離れる人も多いのが現状です。そのなかで亜和さんは「仕事を続け、女性大工が働きやすい環境を
つくれる存在になりたい」と照れくさそうに話してくれました。
正殿の完成まで、残り1年あまり。首里城復元の現場で歩みを重ねる亜和さんの姿は、未来の建築を支える力強いメッセージにも感じました。