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それぞれの職人の思いが結集した世界でたった1つの作品です。首里城正殿の再建と地震と豪雨被害に見舞われた能登半島の復興を願う「復興三線」の組立作業が行われました。このほど向拝柱と外装の塗装が完了。建物を覆っていた素屋根の解体作業が始まり、2025年10月にも、姿を現わすことになる令和の首里城正殿。

その過程で出た端材から工芸品を制作するプロジェクトが、2024年12月にスタートしました。それは首里城と2024年、地震や豪雨被害を受けた能登半島の復興を願うというものです。

正殿復元において、多くの琉球漆芸職人が、塗装や装飾物の彩色などに携わっていて能登半島は、伝統工芸品・輪島塗の産地であることから職人同士が交流し復興のシンボルを制作することで復興への機運を高めたいという思いがあります。

つくられるのは、世界でたった一丁だけの「復興三線」!国産ヒノキと、沖縄では、チャーギの呼び名で知られるイヌマキが使われます。作業は、沖縄の三線職人らと石川県輪島市の蒔絵師にバトンをつなぐ形で工程を分けて制作してきました。

2025年6月30日、那覇市内の三線店で棹と胴部分の組み立てが行われ、職人が、角度を丁寧に調整しながら歌口をはめ、胴巻きと糸掛をつけた後にカラクイに絃を巻きつけていきます。

そして遂に…。

「うん、上等です。出来上がり」

三線職人・仲嶺幹(なかみね・みき)さんは「復興のために職人たちが力を合わせたという。とても感慨深い三線になって今まさに復興の音を奏でてくれそうな音色になっていると思う」と話しました。

沖縄と能登、それぞれの職人の技と思いをつないで完成した復興三線!2025年7月12日に首里城公園で行われるイベントでお披露目、実際に演奏される予定です。

復興三線の棹部分には、能登らしいデザインが施されていて胴の部分には、首里織と能登上布が採用されています。能登・沖縄らしさが詰まった三線。県立芸大の学生が演奏予定。どんな音色を響かせるのでしょうか。

輪島の職人・高校生なども参加予定のイベントの詳細は詳しくは首里城公園のHPをご覧ください。