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ここからは、首里城復元の歩みを伝える、復興のキセキです。

いよいよことし、首里城正殿は完成の年を迎えます。内部に掲げられる扁額の彩色や、正殿内部の漆の塗装など、仕上げの工程が着々と進んでいます。

完成が近づいているのを感じますね。

そうですよね。そして正殿と同じく復元が進められているのが「両廊下」と呼ばれる建物です。あまり聞きなじみがないかもしれませんが、正殿の左右につながる建物で、西の廊下、南の廊下と呼ばれています。正殿と周囲の建物をつなぐ役割を担ってきました。

実は、この両廊下、復元現場の中心には二人のウチナーンチュがいます。その姿を取材しました。

両廊下復元の中心担う 2人のウチナーンチュ宮大工

宮大工(那覇市出身)上原翔悟さん「これから どんどん若い世代につなげていけるよう 先頭に立っていくことを意識している」

宮大工(浦添市出身)大城翔太郎さん「手抜かずに 最後まできっちり やり抜いていきたいと思っている」

令和の復興とともに 成長してきたうちなーんちゅがいます。那覇市出身の宮大工・上原 翔悟さん。 そして、浦添市出身の宮大工・大城 翔太郎さんです。

高校卒業後、大工の道へ進んだ二人。2019年の火災で失われた首里城の復元が決まると、現場入りを自ら志願。次の世代を担う県出身の技術者として、汗を流してきました。 

去年の夏。二人の姿は、福井県の工場にありました。ここで進められていたのは、正殿と並行して復元予定の「両廊下」に使う資材の準備です。

上原翔悟さん「焼失した建物は正殿だけじゃないので県外の方に力を添えてもらって復元していくのもひとつの手だとは思うが身近な、自分たち沖縄の世代が どんどん頑張っていくのが自分としては目指したいところ」

実は今回、二人は若手職人を代表して大役を任されていました。それは、左右の廊下建設のまとめ役になることです。

両廊下復元の中心担う 2人のウチナーンチュ宮大工

大城翔太郎さん 「今やっているものがどこに取り付くのかを図面を読み込んで建物の形を理解する。そういうところに一番時間をかけて取り組む」

この日の作業は、「墨付け」建物に使う部材をどのように削り、組み上げるのか。その指示を、一本一本、木材に書き込んでいきます。

大城翔太郎さん「自分だけが加工するわけじゃないので、ぱっと見てどういう形になるのかを想像しながら相手にわかりやすいようにつけていくことを意識している」

今回の両廊下には、平成の復元後に新たに見つかった古い写真などを参考に、両廊下の構成や寸法が、一部見直されていて、設計図に反映されています。

大城翔太郎さん「その場所に置いたときの見える位置を想像しながらやっていかないといけないので、想像力が一番大事かなという感じ」

令和の復元 棟梁 宮大工 近藤克昭さん「真面目ですよ本当に。仕事のやり方というかそういうのが一番わかっていると思う。どこに行っても頭を張れるような そういう大工になってもらえたら」

大城翔太郎さん「期待されるのはうれしいのでそれに応えられるように頑張っていきたい」

両廊下復元の中心担う 2人のウチナーンチュ宮大工

そして先月(10日)。2人が線を引いた木材が続々と首里城へと運びこまれてきました。

玉城真由佳アナウンサー「青空の下、艶やかに輝く正殿のすぐ隣では、両廊下の木工事が始まっています」

木材を組み上げていく工程が始まると、年の瀬には建物の骨格が形作られました。

上原翔悟さん「(大城さんは)年下だがしっかり意見も言ってくれるので情報交換しながら助け合って今回ひと区切りつけられたと思っている。感謝している」

仕事を続ける中で、上原さんは首里城をある人に見てほしいと話します。

上原翔悟さん「家族が第一の理解者でもありサポーターでもある。すごく楽しみにしてくれてるのでやっぱり頑張ろうという気持ちになる」

原動力は家族の存在です。

上原翔悟さん「(娘が)幼稚園の先生に(お父さんが首里城を作っていると)言いふらしているみたいでそこはちょっと誇らしい立場を見せられているかと思う。今回も取材があると言ったら楽しみにしているみたいで少し恥ずかしいがうれしいことだと思っている」

両廊下復元の中心担う 2人のウチナーンチュ宮大工

秋の完成に向けて工事も佳境へ。

上原翔悟さん「2026年は工事全体としても怪我なく最後までやり抜くことが目標。(担当している南の廊下は)西の廊下と違って見学エリアから少し見えづらい部分ではあるが大城君に負けないように頑張ってつくったのでそこを見てもらえれば」

大城翔太郎さん「一生に一回あるかないかの地元での一番大きい現場なので誰に見られても恥ずかしくないような建物にしていけたらなと思っている」

木材 一本一本に技と思いを込めて。2人の宮大工の挑戦は続いていきます。

両廊下は、来月から瓦工事が始まり、塗装工事を経てことし秋の完成を目指します。VTRでは、大城さん・上原さんを紹介しましたが、作業には、北中城村出身の宮大工・後藤亜和さんも加わっています。

技術と気持ちが、次の世代に継承されている現場ですね。こうした思いを知ると完成した建物を見る目も変わりますよね。

正殿はもちろん、その隣の両廊下にもぜひ注目してみて下さい。