あさっては旧盆のウンケーです。皆さんは、ご先祖を迎える準備は進んでいるでしょうか?きょうは、最近見かけなくなった希少な旧盆アイテムをご紹介します。最近では用意する家庭も随分と少なくなったようです。
ユニオン 津嘉山店 9月1日
比嘉鈴代記者「こちらのスーパーには、旧盆に欠かせない商品がずらりと並んでいます!中でもこちらの草「ソーローメーシ」ってご存知でしょうか?」
袋にラッピングされた草の束「ソーローメーシ」いったいどこで栽培され、どんな風にお供えするのか気になりませんか?
取材班が向かったのは、本部町にある農家。場所は明かせませんが、旧盆の時期に合わせて出荷されるソーロー草の袋詰め作業を行っていました。
農家の方「これですね、これがソーローメーシ!ですね」

ソーローメーシの正体は、メドハギと呼ばれるマメ科の植物です。残念ながら刈り取りには間に合いませんでしたが、この長く伸びた葉っぱを機械を使わず一束一束手作業で収穫していくそうです。
比嘉鈴代記者「あまり聞きなれない葉っぱなんですけどどんな時に使われているんですか?」
農家 仲宗根 孝裕さん「ソーローメーシは、沖縄の旧盆があるんですけど、先祖のお箸とほうきとして使われていたもので仏壇にお供えするような商品ですね」

比嘉鈴代記者「こちらの冷蔵庫にはソーローメーシがずらりと並んでいます。鮮度を保つためにこのように出荷をまっているんですね」
毎年収穫量が減少するソーロー草ですが、この日は、虫がついていないかをチェックしながら4000束の出荷作業に追われていました。
ところでこのソーローメーシ、どのように使うのでしょうか?

Q、普段旧盆では使うんですか?
大里みゆきさん「旧盆ならではの必需品です」「あの世からお迎えするときに足元を洗ってどうぞってそれがお仏壇になくてはならない、ソーロー(草)ですね。」
最近では用意する家庭も随分少なくなったソーローメーシですが、こちらのご家庭では、欠かせないアイテムの一つだと言います。
大里みゆきさん「ひいおばあちゃんの時から、私たちが小さいときからこれが当たりまえ」「私たちが小さいときからそれは、ずっと当たり前のようにお盆はこれってなっていますね」

ご先祖様を迎えるウンケーにはソーロー草の葉っぱの部分を玄関の先へ置いて足を清めるソーローバーチとしてお供えします。
ソーローバーチとは精霊ほうきという意味なんです。
また、枝の部分はジューシーに添えられご先祖様のお箸として 旧盆期間中は仏壇にあがります。(所説あり 地域によっても様々です)
大里みゆきさん「前は、山に行って探して年々無くなるんではないかなって、試しに植えてみたら見事自分たちのベランダでも育てて植えてお盆になるまではちゃんと生きててくださいと使っています」

暮らしが移り変わり、現在では自生しているソーロー草の入手が困難となっていて自宅のベランダで育てている人もいました。
大里みゆきさん「店に行けば買える時代の中で、子や孫にそれだけ昔の人たちがお盆を迎えられ、食生活が出来たということは欠かせない行事ごとじゃないですかね」
農家の仲宗根さん「昔おじいちゃんやおばあちゃんがやっていたいことが、親と孫にうまく伝わっていっているかっていったら、やっぱりそうではないと思うので、そこは、そこをいかに自分たちに大切にしながら後ろの世代に伝えていくことが大事じゃないかな?って思いますね」

今年の旧盆は、受け継がれてきたお供え物の意味をあらためて見つめなおしてみてはいかがでしょうか?
あの一束のソーローメーシには、ご先祖さまの足を清め、食事のお箸として備える、そうした祈りがこめられていたんですね。
その思いを途切れることなく、家庭や地域の中で大切な文化として受け継いでいきたいものですね。
