2019年2月5日 18時50分

Qプラスリポート 県民投票「全県実施」の一方で 届かなかった石垣住民投票

先週金曜日に、ようやく全県実施の足並みがそろった県民投票。一方で、石垣市では陸上自衛隊の配備を問う「住民投票」の行方が注目されていました。「島のことをみんなで考えたい」そんな若者たちの声は届いたのでしょうか。

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先週、石垣市議会で辺野古埋め立ての賛否を問う県民投票の予算案が可決された直後…

議長「以上で本臨時会における…」

野党議員「住民投票条例について、総務財政委員会で審議をして…」

市議会では、野党からもうひとつの住民投票について審議を求める声が上がりました。

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市の中心部、平得大俣地区への陸上自衛隊配備計画。環境への影響や「市からの説明が不十分」などとして、地元住民からは反対の声が上がっていました。

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そこで立ち上がったのが、島の若者たち。「島の未来をみんなで考えたい」市民のみならず、市長や議会にも積極的に理解を呼びかけ、去年、自衛隊配備計画の賛否を問う住民投票へ向けた署名、1万4千筆あまりを集めました。

しかし、その市民の声を審議する議会では。

与党議員「野党の大失態と言っても仕方ありません。若者たちが汗をかいて頑張ったものをどうしようかと知恵を絞らないといけない時期に野党の皆さんはそれを受け入れなかった。これをつぶしたのは野党と言っても仕方がないです」

野党議員「午前中の県民投票は可決されたわけですから、将来のことを考えて判断する時期。何が一番大事かというと市民の皆さんの投票権を確保することが大事」

野党から急きょ「どちらでもない」を加えた3択の修正案が出される場面もありましたが、双方がかみ合うことはありませんでした。

採決の結果、賛成と反対は同数。判断は議長に委ねられました。

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平良秀之議長「議長は否決と採決いたします」

市民「もうちょっと丁寧にしてくださいよ」

宮良央さん「僕たち頑張ったんだけどなという思いでいっぱいです」

伊良皆高虎さん「(市政に)問いかけることって、こんなに難しいのかな、こんなに難しくていいのかなという思いがあります」

石垣市住民投票を求める会・金城龍太郎代表「1万4千人あまりの住民の思いは横に置かれたうえで、政治的な駆け引きで採決が行われたようなかんじがして、とても残念に思います」

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ここからは取材した比嘉記者です。県民投票の全県実施が決まった日、石垣市ではこんなことが起きていたんですね。

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比嘉記者「この陸上自衛隊配備計画の賛否を問う住民投票をめぐっては、住民投票を求める会の金城代表らが、3月とも言われている工事の着工前に民意を問いたい、経費削減や投票率アップのため県民投票と同日実施したい、署名に参加してくれた高校3年生が春に島を離れる前に実施したい、このようなことを要望していました」

先週の議会では、配備計画を進める市長を支える与党と住民投票実施にこぎつけたい野党が対立したんですね。

比嘉記者「議会が開かれた日は、県民投票と同じ日にやるには時間的にもタイムリミット。そして着工も目前に迫っています。午前中には県民投票が可決されたこともあり、審議と採決を急ぎたい野党に対し、与党からは『あまりにも乱暴だ』などと批判が噴出。さらには、『どちらでもない』を加えた3択の修正案を出したことにより、県民投票のように与野党歩み寄るばかりか、県民投票よりも審議が不十分なまま結論を急ぐ姿があらわになってしまいました」

傍聴席から聞こえた「もうちょっと丁寧にして」という議会に対する声、まさにその通りですよね。

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比嘉記者「それに金城代表らが今回集めた1万4263筆という数字は、市の有権者のおよそ4割にあたります。そもそもこれだけ集めると『議会を通さなくても住民投票を直接市長に請求できる』という市の条例があるんですが、実際に投票を実施するための条例の細かな部分が定められていないことから、議会にかけて審議する方法をとりました。こうした条例の在り方について政治学の専門家はこう指摘します」

琉球大学・島袋純教授「自治基本条例に書かれている、住民の権利は必ず保障しなければならない。ですから条例を整備する必要があるとすれば、条例を整備していない市長と議会の怠慢。これは非常に由々しき問題で、民主主義の否定になりかねない。本来ならば実施するのが市長の義務だと思います」

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比嘉記者「集められた署名は、中山市長が前回の選挙で獲った票数を上回っています。賛成・反対に関わらず民意を示したいという若者や市民の声がこのまま消されることがあっていいものか、問いたいと思います」

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