9月は防災月間です。9日は、熊本地震で活躍した「災害救助犬」についてお伝えします。横浜市には国内にわずか7頭しかいない、被災地で即戦力となる国際基準の認定試験を突破した救助犬と訓練士のペアがいます。熊本地震では、爆発があった「イオンモール熊本」での捜索活動に参加しました。散乱したガラスに加えて、暑くて風のない状況は、厳しい訓練を積んだペアでさえも過酷な現場となりました。
■救助犬ペアがみたイオンモール爆発現場
救助犬訓練士協会 橋本幸訓練士
「爆発というのは初めてでした。歩く場所はあったのですが、常に揺れる感じ」
横浜市の救助犬訓練士・橋本幸さんと救助犬の聡太郎です。熊本地震発災から32時間後の7月29日の深夜、爆発のあった嘉島町の「イオンモール熊本」で捜索にあたりました。
橋本幸訓練士
「地震はなくても、人の歩く重さで揺れるくらいの、もろそうな感じの建物だった」
ペアを組んで6年。ベテランの橋本さんと聡太郎ですが、今回の現場は難易度が高いものでした。
橋本幸訓練士
「通常だと捜索というのはリードや首輪を取って行うが、この時は一歩でも踏み外してしまうと滑落する可能性や床が抜けてしまう可能性もあったので、私も一緒に捜索するエリアに入り、リードと首輪を着けたまま捜索にあたった」
橋本さんと聡太郎が捜索をしたのは午前0時半すぎ。この日の熊本は夜になっても29℃と気温が高く、熱帯夜での活動となりました。
ここで救助犬の命ともいえる嗅覚を鈍らせる障害となったのが、「暑さ」と「無風」です。
橋本幸訓練士
「暑いとパンティング(体温調節)が始まるので、においを嗅ぎ取る時間が短くなる。立っているだけで全身から汗がふき出るような暑さだったので、イヌたちは多分もっと暑かったと思う」
全身に汗をかくことができないイヌは、口を大きく開けて舌を出し、呼吸を速くすることで身体の熱を逃がします。
さらに、建物の中というほぼ風のない現場は、救助を必要とする人のにおいを断ち切ってしまうといいます。
橋本幸訓練士
「イヌたちは風に乗ってきた要救助者のにおいをたどって到達するが、風がないと、対象になるにおいがその場にとどまることが多い」
初めて臨んだ爆発現場は想像を絶するもので、散乱したガラスやコンクリートの破片は、聡太郎の足取りを重くしました。
橋本幸訓練士
「(ガラスの手すりなど)爆発のあった部分がないような形で、窓ガラスなども全部飛び散っていた」
橋本さんは聡太郎用の靴を持っていたものの、慣れない現場に慣れない装備は足かせになる可能性があることや、今回は入念な安全確認ができていたため、素足のまま捜索をするという判断をしました。
橋本幸訓練士
「靴を普段履かないで捜索しているので、靴を履いて、滑りやすい現場での練習も取り入れることが必要と思った」
今後あらゆる現場に対応するため、これまで行ってこなかった訓練の必要性を感じたそうです。
橋本幸訓練士
「(公共機関の救助犬は)単独で動けないことが多いので、すぐ現場に欲しいとなった時に民間(の救助犬)が大事になってくるが、協力しないと(要救助者を)発見しても助けることが難しいので、救助犬の数を増して協力できれば、より強い救助隊になるのではないか」
日本での救助犬の必要性を広め多くの命を救うために、現状に満足せず研鑽(けんさん)する橋本さんと聡太郎の姿がありました。







































