琉球の貴重な動植物を紹介する「リュウキュウの自然」です。案内は動物写真家の湊 和雄さんです。
湊 和雄さん「宜しくお願いします」
今回のテーマは「バッタは高い所が好き?」です!(どゆこと?)
湊 和雄さん「やっと梅雨が明けましたね。今年の梅雨は、2つの台風も接近し、よく雨が降りました。そんな中、あるバッタの不思議な行動が観察されました」
不思議な行動、気になります。VTR見てみましょう!

湊 和雄さん「バッタが茎にしがみ付いていますね。これはタイワンハネナガイナゴという一年中活動している種類です。特にイネ科植物を好みます。この場所でも、同じような状態でたくさん見られました。やはり、ハイキビなどイネ科植物に多いようです。
湊 和雄さん「成虫だけではなく、このように翅の伸びていない幼虫も混ざって見られました。場所によっては、このように数がまとまって見られる所もありました。ここでは1画面で7匹も見られますね。これは3匹のアップですが、何処かおかしいと思いませんか?」
姿勢も何となく不自然ですし、色も茶色っぽい気がします。そして、最も不思議なのは全く動きませんよね。

湊 和雄さん「これは後脚が茎から離れ宙に浮いています。これなんかは、前脚1本だけで茎にぶら下がり、とても生きているようには見えません。実は、これまで見てきたタイワンハネナガイナゴは全部死んだ状態なのです。5mから6m四方に60匹以上の死骸が見られました(数えきれない)」
湊 和雄さん「冒頭で今年はとても雨がよく降ったことに触れましたが、そのような気象条件で発生する通称バッタカビという菌に感染して死んでしまったと考えられます。1980年代半ばには、鹿児島県の馬毛島でトノサマバッタが、沖縄ではタイワンツチイナゴが大発生しましたが、最終的にこのバッタカビによって収束しました」

湊 和雄さん「バッタカビは和名がありませんが、学名はEntomophaga grylli (エントモファガ グリリ)といい、100種以上のバッタに感染するそうです。感染したバッタは草の高いところに登り、先端に近いところで死にます。これは高いところで菌を撒き、より広い範囲に拡げるためだと考えられています」
湊 和雄さん「死んでしまったバッタばかりのようですが、生きているバッタもいました。しかし、このような環境では、既にバッタカビに感染している可能性が高そうです。このバッタ(右)も、未だ生きていました。それも元気にジャンプしました。このまま生き延びられるでしょうか」

湊 和雄さん「しかし不思議なのは、100種類以上のバッタに感染すると言われるのに、タイワンハネナガイナゴ以外のバッタの死骸が見られないのです。台風7号通過直後にやっとタイワンツチイナゴを見つけました。日本最大のバッタです。葉の上ではなく、地上に近いところにいて少し不自然です。しかし近づいてみると、ハイキビの花穂を盛んに食べていました。台風通過後ということもあり、元気なのか否か判断は付きませんでした」
湊 和雄さん「大雨や長雨の後に発生し易いと言われるバッタカビ。これだけの密度でタイワンハネナガイナゴの死骸が見られるのは、今年の梅雨はかなりの雨だったことを物語っているようです」
湊 和雄さん「バッタカビは、世界的に知られています。そしてバッタ類は、サトウキビ、イネ、トウモロコシなどに被害をもたらす農作物の代表的な害虫ですよね。そこで、このバッタカビを人工培養して、防除に利用できないかという発想が以前よりあります。しかし、この菌をなかなか巧く培養できないのだそうです。自然界の仕組みって、そう単純ではないようです」
湊 和雄さん「今回のテーマは、単にたくさんのバッタが死んでいる=気味悪いというものではありません。もし、そんな試みが成功したらノーベル賞級のことなのかもしれませんね」
湊さん今回も貴重な映像ありがとうございました!以上、リュウキュウの自然でした。







































