米国とイランは戦争終結に向けた協議を継続することで合意しているものの、船舶が通過するホルムズ海峡の通航料を巡る対立がなお続く。中東情勢の緊張は、燃料価格の高騰という形で日本の空にも影を落としている。全日本空輸と日本航空は7月1日発券分から国際線の燃油サーチャージを引き上げ、北米・欧州路線では片道6万5000円、往復13万円と過去最高を更新した。影響は国際線だけにとどまらない。地方空港間を結び、地域経済を支える航空会社も、燃油高と1ドル=162円となる歴史的な円安の直撃を受けている。
地域航空「フジドリームエアラインズ」(静岡市)は、小型ジェット機で北海道から鹿児島まで29路線を運航する。本田俊介社長は、今年度の計画ではジェット燃料を1バレル75ドルで見込んでいたが、「3月、4月の途中では1バレル220ドルまで上がり、3倍近くなった」と明かす。「かなり経営的、収支的には厳しい状況」と危機感を滲ませる。現場では、離陸前にエンジンをかけるタイミングを遅らせたり、地上走行時に片方のエンジンだけを使ったりするなど、燃料節約の工夫を積み重ねている。機体重量に応じて推力を抑えた上昇を選ぶほか、日よけで機内温度の上昇を抑え、空調負荷を減らす取り組みも進めている。それでも高騰分を吸収するには限界がある。フジドリームエアラインズは唯一、国内線で燃油サーチャージを徴収しているが、本田社長は「本当にお客様には申し訳ない」としたうえで、「この路線をしっかり維持していくため」と理解を求めた。県営名古屋空港と山形空港を結ぶ路線は、陸路なら5時間ほどかかる移動を4分の1以下の65分に短縮させた。山形県は中京圏から企業誘致を進めてきた経緯があり、名古屋便は企業活動を支える重要な交通インフラとなっている。
一方、離島の暮らしを支える空路も厳しい状況にある。長崎空港と対馬、壱岐、五島などを結ぶ地域航空「オリエンタルエアブリッジ」(長崎・大村市)は、離島で暮らす島民にとって欠かせない交通インフラ。しかし、杉浦賢社長は、短距離の小型機路線について「満席ご利用頂いても経営的には非常に厳しい」と語る。長崎県によると、昨年、オリエンタルエアブリッジの離島航空路線は約30万人が利用した。国や自治体の補助金に支えられ、島民の運賃は片道5000円に抑えられている。
★ゲスト:今村卓(丸紅経済研究所社長)
★アンカー:末延吉正(ジャーナリスト/元テレビ朝日政治部長)
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