経済に関するニュースをお伝えするビジネスキャッチーです。毎月最終週は琉球銀行グループによる解説をお送りしています。
きょうは、琉球銀行 総合企画部サステナビリティ推進室の宮里 竜(みやざと りょう)さんです。よろしくお願いします。
宮里さん「よろしくお願いします」
テーマは「企業の省エネ診断」についてです。「省エネ診断」あまり聞き馴染みのない言葉ですが、これはどういうものなのでしょうか?
宮里さん「様々な物価の上昇が続く中、電気代や燃料価格の上昇が企業経営を圧迫しています。『何か対策をしたいけれど何から始めれば良いか分からない』という企業も多いのではないでしょうか?そうした企業におすすめしたいのが「省エネ診断」です」
「企業の省エネ診断」どこから始めるのでしょうか。
宮里さん「皆様のご家庭での対策と同様です。まずは『どこで電気を使っているのか』『どこにムダがあるのか』を知ることがエネルギーコスト削減のはじめの一歩になります」

なぜ今、省エネ診断なのか?具体的にはどういったことでしょうか?
宮里さん「はい。『省エネ診断』は専門家が事業所を訪問し、事業所全体や設備ごとのエネルギーの使用状況を確認したうえで省エネできるポイントを提案してくれる制度です。ニーズに応じて複数のコースが用意されていますので、企業ごとの状況に合わせて診断を受けることができます」
専門家の利用は費用が大きくかかるのではないですか。
宮里さん「いいえ、費用の大部分は国が負担するため、企業は数万円程度の負担で受けることができます」

国が費用を一部負担してくれるのは非常にありがたいですね。
宮里さん「そうですね。また診断では、照明や空調の運用改善だけでなく、設備更新や補助金活用のアドバイスも受けることができます。診断に基づいて具体的な対策を講じることで、電気代などのコスト削減ができます」
県内でも、実際に効果が出ている事例があるようですね。
宮里さん「そうなんです。例えば、食品卸・冷凍冷蔵業の会社では省エネ診断を受けた結果、24時間365日稼働している冷凍機が大きな電力消費源であることが分かりました。そのため、専門家から高効率冷凍機への更新やデマンド監視装置(エネルギーの使い過ぎを抑える装置)の導入などが提案されました。また、冷房温度の見直しや室内機のフィルター清掃など、すぐに取り組める改善策も提案されています」

色々と具体的なアドバイスもいただけるようですが、これらを実行するとどれくらいの効果が見込めるんでしょうか?
宮里さん「はい。これらの診断で提案された改善事項における予想エネルギー削減量は年間30万KWhで、年間約760万円のコスト削減効果が見込まれる結果となりました」
まず現状を把握するだけでも大きな効果が期待できるということですね。
ところで電気代に関しては沖縄ならではの特徴があるそうですがそれは、どういうものですか?
宮里さん「はい。沖縄県は、本土と電力をつなぐ送電線がない『独立した電力系統』なので本土と比べて燃料価格の高騰や為替の影響を受けやすい地域と言われています。そのため省エネによって削減されるエネルギー使用量は同じでもコスト削減効果が、本土と比べて大きくなりやすいつまり、エネルギーコストの削減効果が大きい地域と言えます」

そのために『省エネ診断』があるわけですね。
宮里さん「省エネは、1投資ゼロからでも始められる、2効果がすぐに見つけやすい、3経費削減につながる、という特徴があるので企業の皆様にぜひご検討いただきたいです」
これまでも省エネに取り組んできた企業は多いと思いますが、技術革新などで機器の性能も上がっているのでこの機会に改めて検討してみても良いですね。
省エネは企業にとっては経費削減になりますが他のメリットもありますか。
宮里さん「はい。エネルギー使用量が減れば結果としてCO2排出量の削減にもつながります。ですので、近年、重要性が増している“脱炭素”への最初の一歩としても非常に有効な方法なんです」

環境保護にもつながるということですね。
宮里さん「はい。今年は全国各地でこれまでにないような大雨被害が発生し県内でも、台風や急な大雨が頻発しています」
本当にそうですよね。私たちの日々の暮らしを守るためにも脱炭素に取り組む必要がありますよね。
宮里さん「はい、CO2の削減は、企業にとって単なる環境対策ではなく、社会的責任の一つです。企業活動による環境への影響をできるだけ小さくし、沖縄の豊かな自然環境を守り、次の世代に引き継ぐため、多くの起業が脱炭素に向けた取り組みを進めています。こうした姿勢は、企業の信頼や価値を高めることにもつながっています」

なるほど。さて、省エネ診断を受けるためにはどこに相談したら良いですか?
宮里さん「省エネ診断を行う専門家は、省エネ診断のポータルサイトに登録されているので簡単に検索ができます。また、金融機関は専門家との連携体制がありますので、金融機関に相談することもできます。金融機関は、融資やリース、補助金活用など設備導入に必要な資金面も含めた支援が可能です」
企業にとってエネルギーコストの削減は重要な経営課題の一つだと思いますが、まずは『省エネ診断』によって現状を知ることが第一歩ですね。

宮里さん「はい。いきなり大きな投資をするのではなく、まずは、自社のエネルギーの使い方を把握することから始めてみては いかがでしょうか?省エネ診断は、経費削減に有効な手段ですし、併せて脱炭素にもつながる取り組みですので、ぜひ活用を検討していただきたいと思います」
燃料価格の負担が大きい今こそ、まずは、省エネから脱炭素の取り組みを始めていきたいですね。
きょうは、企業の『省エネ診断』について琉球銀行の宮里さんに解説していただきました。ありがとうございました。
宮里さん「ありがとうございました」







































