見えない侵入者~米軍基地から漏れ出す永遠の化学物質~

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2016年、沖縄県企業局は記者会見を開き、7市町村45万人の取水源となっている河川や地下水にある化学物質が入り込んでいることを明らかにした。

有機フッ素化合物PFOS(ピーフォス)、PFOA(ピーフォア)。

環境中で分解されにくく、人の体内に取り込まれると長く蓄積されることから「永遠の化学物質」と呼ばれ、国際条約や国内法で規制されていた。

発覚から5年が経った今も、解決の目途が立っていない。汚染源が、県民の手の届かない米軍嘉手納基地内にあるとみられていたからだ。

番組では、沖縄県が過去5年間に実施した水質検査データをもとに、汚染が最も深刻だった基地内を流れる幻の川「大工廻川(だくじゃくがわ)」の存在に迫る。

また、米国の情報自由法を活用し、数々の基地問題をスクープしてきたフリージャーナリストのジョン・ミッチェル氏と共同取材を実施。国防総省や米連邦議会の文書や内部告発者の動画などから、フェンスの向こうで何が起きていたのかに迫るほか、QABが独自入手した沖縄本土復帰前に作成された地下水の資料と図面から、土地だけでなく水までもが米軍の支配下に置かれてきた構図を考える。

米軍嘉手納基地と周辺のまち並み、手前が比謝川

米軍嘉手納基地と周辺のまち並み、手前が比謝川

普天間基地泡消火剤流出事故から一夜(2020年4月)

普天間基地泡消火剤流出事故から一夜(2020年4月)

ナレーション 沼尻和樹(QABアナウンサー)

ディレクター ジョン・ミッチェル(フリージャーナリスト)、島袋夏子(QAB)