先日、QABにかかってきた一本の電話それは、日本郵便や警察を装う特殊詐欺でした。取材の一環で、一連の話を聞いてみると、巧妙な詐欺の手口が明らかになりました。
日本郵便を装う男「もしもし、日本郵便総務部のナカムラでございます。お客様、音声通知をお聞きになり、こちら窓口へ転送されましたでしょうか?」

先日(6/29)、記者のスマートフォンにかかってきたのは +1からはじまる、見慣れない電話番号。応答すると、日本郵便を装う自動音声が流れ、転送番号を押すと、日本郵便総務部のナカムラという男に繋がりました。

日本郵便を装う男「システム上で、お客様の名義に関わる個人情報保護法に基づく機密書類になっているため、詳細な内容を確認いたしますので、お客様お名前フルネームと生年月日お願いいたします」

個人情報を催促する男、とっさに、タケダという偽の名前を伝えると、話は急展開を迎えます。
日本郵便を装う男「お客様の名義で出された2個の小包お荷物ですね。こちらが物流センターのX線スキャンを通過した際、内部の異常画像が検知され、押収されております」
日本郵便を装う男「警察による開封記録によりますと中身は高純度の金、約500g。あと新品のスマートフォン4台。こちら4台ともですね、違法通信カード、開通済みだった」

この男によると、青森市から東京都に発送された違法な荷物に関与した疑いがあり、身の潔白を証明するために、青森県警に被害届を提出する必要があるとのこと。このあと電話は、別の機関であるはずの青森県警に転送されます。
青森県警を装う男自動音声「青森県警察でございます。ただいま…」「はいもしもしこちらは県警本部捜査2課のイトウです。本日はどのようなご用件でしょうか?」
応答したのは、青森県警のイトウを装う人物。ここでも被害届の作成を名目に、個人情報を聞き出してきます。
青森県警を装う男「被害申告の被害届の方はこれから受理していくんですけども、現在お住まいは何県ですか。今は沖縄に住んでます。はいはいはい。沖縄ですね」「この安全なアプリ、シグナルっていうものを取って調書を行います」「お手持ちのスマートフォンで、スピーカーにしていただきながらアプリ入れてもらうことはできますか」

このあとイトウは、秘匿性の高い無料通信アプリに誘導。アプリでの通話に切り替わると、相手から送られてきたのは、偽の警察手帳の画像でした。
青森県警を装う男「武田さん自身がですね、青森でみずほ銀行口座を開設した記録が残っている」「フクイシンイチによる詐欺資金洗浄事件というのを関連していて警察の調査対象となっている」
これは実際に送られてきたニセの捜査資料の画像です。イトウによると、大手銀行に勤めるフクイという男が複数の口座に18億円以上を不正送金。いまだ8600万円を超える資金の居場所が不明となっていて、その一部を受けと取っていたのではないかと疑われます。

青森県警を装う男「口座をフクイシンイチに売って8600万円を洗浄した際、報酬として10%ですね、850万円を支払う約束をしていたと供述している。これに関して心当たりはありますか」
記者「全く心あたりがないです」
青森県警を装う男「本件が正式に完了するまでは、ご両親だったり、ご家族、友人だったり、近隣住民などに対して本件について一切話はしていけません」「万が一、情報の漏洩が確認された場合、私たちはあなたを機密漏洩罪で刑事告発することになってしまいます。」
「え?」

このあと、青森地裁が発行したという守秘義務契約書を読み上げさせられるなど、誰にも話さないことを〝念入り〟に約束させるイトウ。そして、身の潔白を証明するためには捜査を続ける必要があり、その期間の連絡は、はじめに予め決めた〝合言葉〟を言い合うことに。
青森県警を装う男「今後連絡するにあたって、タケダさんの方から連絡いただく場合は、最初〝与那国馬〟とおっしゃってください」「わかりました」「に対して僕の方で〝キジムナー〟という風に返答をします」
今後は、不審な電話やメッセージの有無、ネットの利用状況などを定期的に報告するよう求めるイトウ。その日の午後9時半にも連絡するよう約束させられ、一連の通話が終わりました」

記者「午後4時半頃から電話を開始して、現在の時間は夜の7時半前となっています。かなりですね、時間をかけて念入りにですね、私をですね、騙そうとしているような状況が伺えるような電話の内容でした」
ここからは取材した記者です。登場人物も複数いて、手口がかなり巧妙化しているのが伝わりました。
記者「改めて内容を整理していきます。まずはじめに、+1からはじまる着信があり応答すると日本郵便を装う自動音声が流れました。そこから日本郵便のナカムラという男に繋がり、最終的に、青森県警を装うイトウという男に転送された形です」

先日も、警察官を装う詐欺で、金の延べ棒4600万円相当が被害にあうケースもありました。被害にあわないためにはどうしたらいいのでしょうか?
記者「今回は取材の一環で話を聞きましたが、万が一この手の電話があっても詐欺だと疑い、〝応答しない〟というのが一番の対策です。実際に詐欺電話を体験してみて、被害を未然に防ぐポイントがいくつかあったのでご紹介していきます」
「まず、1つ目は「+」からはじまる不審な着信です。これは海外から発信された国際電話で、特殊詐欺のグループは、海外に拠点を置いていることが多いです。県警では身に覚えのない「+」発信の番号には絶対に出ない、着信が残っていても絶対に折り返さないよう呼びかけています」

「次に、個人情報についてです。今回の通話では、名前や生年月日など伝えると、その情報を元に詐欺容疑がかけられました」
個人情報を伝えた直後に、話が急展開していましたよね
記者「逆に言えば、名前や生年月日、住所などを伝えなければ、それ以上、話は進展しづらいということです。VTRにもあったように、相手は個人情報を聞き出そうとしてきますが、一切、応じないというのは1つのポイントになりそうです」

「このほかにも、青森県警と言いながら、警察手帳には警視庁と記載があったり、通話の最中に〝紙をめくる音〟が何度も聞こえ、マニュアルに沿って話をしているのが伝わってきたりと、怪しい点はかなりありました」

「今回、特殊詐欺の電話を目の当たりにしてみて、この犯罪が、私たちの身近に潜んでいるということを事前に意識することが大切だと感じました」
ここまで記者とお伝えしました。







































