琉球朝日放送の第300回番組審議会が7月8日火曜日午後4時より琉球朝日放送で開催された。会の冒頭、今回より委員となる粟国雄一郎氏に委嘱状が交付された。続いて審議に入り、10月に開催される第94回系列24社放送番組審議会委員代表者会議で議論されるテーマ「地上波テレビとコンプライアンス~テレビの信頼回復にむけて~」について審議が行われた。事務局報告では視聴率と視聴者応答(いずれも6月分)について報告があった。意見の概要は以下の通り。

弱者に耳を傾け、自由に発言できる雰囲気作りが信頼回復に繋がると感じる。視聴者との対話を増やし、ホームページ等でも、制作側の意図を発信することにより、番組への理解が進むのではないか。

テレビ業界は、時代に合わせた変革が進んでいないのではないか。番組制作において、視聴率の取れる出演者の起用ではなく、企画で勝負してほしい。中立的に情報を提供できるのは、地上波テレビの役割だと感じる。

容易に声を上げられる仕組み作りは課題だと感じる。コンプライアンスにより、番組が面白くなくなったという考え方は、世の中に対応できていないのではないか。多様化している世間に対して、どういう番組が作られるべきかを考える必要がある。

地道に良い番組を作り続けていくことが社会的責任を果たすということなのではないか。QABにはローカル局として、身近なことを取り上げ、視聴者の会話を繋ぐような存在になってほしい。

視聴率が良ければいい、面白ければいいと人権を軽視することが問題だと感じる。コンプライアンスは幅広い概念だが、起きた事象をきちんと分析し、対応していくことも信頼回復に繋がるのではないか。

コンプライアンスの理解を深め、ハラスメントや差別的な発言、情報管理などの透明性を上げていくことが大事。番組制作の過程を可視化する取り組みや、制作現場の倫理的なガイドラインを作成し、発言できる環境を整える必要がある。

ハラスメントは、テレビ業界だけでなく、社会全般の問題としてとらえる必要がある。差別や偏見がSNS等を中心に広がっている今こそ、地上波テレビが問題と向き合い、人権を尊重し、差別のない寛容な社会作りに向けた番組制作が望ましい。

出席委員 豊川明佳・伊佐香菜子・仲村直将・比嘉葉子・上地球二・粟国雄一郎
欠席委員 島袋昭彦(レポート提出)