動き出した補償 ~泣き寝入りしてたまるか~

動き出した補償 ~泣き寝入りしてたまるか~

「国に被害者と向き合ってほしい」
事件の補償を求めて国を相手に訴訟を起こした宇良宗之さんは訴えている。

2019年8月14日、米軍絡みの事件をめぐる補償、特に10年も放置された期間に対する被害を救済する制度のあり方を問う裁判に挑むことを決意し提訴した。

発端は11年前の米兵タクシー強盗、
タクシー運転手だった父が乗車してきた米兵2人に暴行され体と心に深い傷を負った。
仕事復帰も叶わぬまま、父が他界。
事件によって家族の日常が奪われてしまった。

事件から9年半過ぎて示されたアメリカ政府の見舞金はわずか146万円だった。
米軍絡みの事件補償を巡っては、日米地位協定で加害米兵に支払い能力がない場合に米政府が肩代わりするとしているが、被害者家族が納得できるものになっていなかった。

こうした問題を改善しようと国がつくった「SACO見舞金」という制度がある。
裁判で確定した賠償額と米政府の提示額との差額を国が肩代わりする仕組みだ。
しかし、10年も補償が放置された分の利息「遅延損害金」の支払い国が拒んだことから、宇良さんは提訴に踏み切った。
普通の生活を取り戻そうとする闘いを通じて救済制度のあり方を考える。