琉球朝日放送の第277回番組審議会が4月18日火曜日午後3時30分より琉球朝日放送で開催され、「テレメンタリー 2023 子どものきもち〜里親委託 おいてけぼりの心~」〈2023年3月19日(日)深夜2時00分~深夜2時30分放送〉について審議が行われた。その後、事務局から系列番組審議会代表者会議テーマ案について、視聴率報告(3月分・2022年度・下期・1月クール)、視聴者応答(3月分)、放送番組種別ごとの放送時間(2022年10月~2023年3月)について報告があった。会の最後に、渡名喜委員が今回で退任となる旨の報告があった。意見の概要は以下の通り。

「こどもまんなか社会」が提唱される中、子どもの声を聞き、その幸せを考えようという時宜を得た番組。「あの子」という呼称は、適切な表現が他になかったか疑問に感じた。

「子どものため」と言う大人と「大人は敵だ」と言う里子たちのコントラストが衝撃的。冒頭の心揺さぶられる場面のあとにポップなオープニングBGMが入ったのは違和感があった。

里親・実親のどちらかの立場に立つのではなく、子どもの目線という普遍的なテーマを伝えようとする姿勢が良い。沖縄のアドボカシーの現状も伝えてほしかった。

里親側に偏りすぎず多数の取材をしており、とりわけ里子たちの声が番組のキーとなっていた。テロップや図解を用いた丁寧な解説によって里親制度への理解を助けていた。

「感情や温もり」と「法律的な裁き」を対比させることで、この問題の不条理さを表現していた。取材側はなぜ大人を信用しない里子たちの声を聞くことができたのか、その理由も含めて番組なりの結論を示してほしかった。

「おいてけぼりの心」のネーミングが秀逸。根気強い追跡取材、番組構成の巧みさ、インタビュー力の高さはもとより、制作側の努力熱意が感じられる番組で高く評価したい。

子どもの泣き声から始まる冒頭は関心のうねりを起こすインパクトがあった。しかしセンセーショナルにならず落ち着いたトーンを保ち、子ども優先の社会が実現できているかを問題提起していた。

出席委員 横田哲・砂川久美子・吉田央・伊佐香菜子・豊川明佳
欠席委員 渡名喜郁夫・島袋昭彦(いずれもレポート提出)